TV CMで創刊号特別定価190円と言っているのにつられてデアゴスティーニの「インサイド・ヒューマンボディ」を買いました。医療現場の結構高度な知識を細かく説明した本(週間だから雑誌?)です。バインダー付きで190円ですからこれだけ見たら間違いなく赤字じゃないかと思うのです。
このデアゴスティーニという会社、本家はイタリアで既に100年以上の歴史があるというから驚きです。一度に買ったら高価になってしまうものを定期的に分冊することで買いやすくするこのシステムを、パートワークと言うそうです。今回私が買った「インサイド・ヒューマンボディ」は百科事典を分冊した形態と言えますが、他にも習い事を定期的に習得させる教材型のパートワークや、ドールハウスやラジコンカー組み立てを行うホビー向けのパートワークなどがあるようです。
創刊号だけ破格に設定し、継続購読候補者をたくさん集めるのが特徴ですね。それを見て気に入れば、その後は定期購読してもらうことを望んでいるようです。以前、この会社の社長か誰かのインタビュー記事を読んだことがあるのですが、このパートワークは常に「右肩下がり」の商売なのだそうです。つまり、発行号が進むにつれて発行部数が減ることはあっても増えることは無いということです。確かに毎月欠かさず買うことで最後に一つの完成形ができるのですから、途中から買い始める人はいないですね。「言い得て妙」な話です。いかに創刊号を多くの人に買ってもらうかは重要な話なのです。
私の買った「インサイド・ヒューマンボディ」の場合、創刊号だけ190円ですがその後は週間で毎号500円です。「週間」を読者の「習慣」にしてもらえれば、一人当たり毎月2,000円の定期購読料が見込めるわけです。
デアゴスティーニのサイトを拝見すると、「インサイド・ヒューマンボディ」の完結号は確定していないが171号を予定しているとあります。なるほど、171号まではネタがあるけれども、途中で購読者が減って損益分岐点を割り込んでしまったら途中廃刊もあるということですね。この手の知識本の場合は途中廃刊が許されますが、毎月のパーツ組み立て型のパートワークはどうなのでしょう。サイトを見る限りでは同様に完成号数は予定となっていました。とはいえ、模型が半分できあがったところで廃刊になってしまったら困りますよね。きっと、組み立て型の場合、途中脱落者も少ないんじゃないかと思います。
他にもサイトを見ていておもしろいものを発見しました。なんと2001年9月にも「週間インサイド・ヒューマンボディ」が創刊されているのです。目次を見ると今回創刊されたものとほとんど同じです。さらに良く見ると2005年2月1日で170号を迎えますので、2月8日には完結号である171号を迎えるはずです。なるほどなるほど、前のパートワークが一巡したので新しいサイクルを始めたのですね。元々が事典の分冊だと思えば、コンテンツの再利用はいくらでも可能なわけです。
さて、私は今後どうするか・・・。171号まで買い続けると85,190円+バイダー代となります。決して安いとは言えませんね。もうちょっと考えてみたいと思います。
