
「JAXA 勝浦宇宙通信所 見学」の続きです。
勝浦宇宙通信所で宇宙を少し身近に感じた後、車は帰路についたのですが、そのまま同じ道を帰ってしまうのではおもしろくありません。千葉県木更津市から神奈川県川崎市まで東京湾を横断する東京湾アクアラインを使うことにしました。この途中には有名な海上パーキングエリア、海ほたるPAがあります。もちろん、ここが目的地です。
ルートはカーナビに任せて、木更津北ICから高速道路に入りました。本来であれば木更津北ICから木更津金田までが550円、それに東京湾アクアラインの通行料3,000円がプラスされて、通行料の合計は3,550円となるはずですが、東京湾アクアラインの「ETC車限定社会実験料金」が適用されて2,870円となりました。これは、当初の実験期間が延長されて2005年の3月31日までETC車に限って東京湾アクアラインの通行料が割り引かれるというものです(社会実験という言葉には何となく違和感を覚えますが)。普通車の場合、3,000円の通行料が2,320円になります。同乗者の話だと、料金所のETCレーンを通過する時に2,870円と表示されたようです。私はといえば、バーが上がることだけを凝視していたため料金表示にまで目が回っていませんでした。それにしてもこの割引はなかなか得した気分です。どうせなら、もう一声、1,500円くらいまで値下げしてそれを恒常的に実施してくれたらいいんじゃないかと思います。
このおかげかどうかわかりませんが、東京湾アクアラインのETC利用率は50%近いようです(このPDF参照)。東京湾アクアラインをよく使う人はETCを使わないと損という構図ができているのでしょう。
1997年12月に東京湾アクアラインが開通した(もうそんな昔なの?)直後は、その通行料の高さが問題にされましたが、同時に海ほたるがいつも混雑していて入れないという現象が続きましたね。どうもそのイメージが強く残っていたせいか、道路がガラガラだったのにはびっくりしました。
木更津から海ほたるまでは海上を走りますが、道が広いせいかそれほど海上を意識することはありませんでした。ただ、風が強く、車はかなり影響を受けました。
海ほたるの駐車場もかなり余裕がありました。引っ切り無しに車が出たり入ったりはしていますが、満車になるような気配はありませんでした。夏休みのようなシーズンだとまた違うのかもしれません。
行った日は雪の予報も出ていたように寒くて風の強い日でしたので、海ほたるのように四方を海に囲まれた場所はもろに影響を受けてしまうようです。屋外にいるのはかなりつらい状況でした。それでも、頑張って5Fの展望デッキに行きました。
周りの海が強風で波立っているのを見たら、よくもまあ、こんなところにこんなものを作ったものだと感心してしまいました。木更津方面を見ると橋が続きますが、川崎方面を見ると海になっています。海ほたると川崎間の道路は海底トンネルになっているのです。川崎方面を見ると海の中にぽっかり浮かんだ人工島があります。風の塔と呼ばれ、トンネル内の換気口になっています。その高さは90mでニューヨークの「自由の女神」とほぼ同じだそうです。

海ほたるには色々なレストランや売店があります。大きめのゲームセンターまで設置されています。でも、私が一番気に入ったのは「わくわくランド」でした。高速道路に設置されている非常電話や消火栓、避難装置などに直に触れ、体験することができるスペースです(わくわくランドのネーミングは少し不適切?)。この手の器具や装置にはお世話にならないようにしたいですが、こればかりはどうなるかわかりません。もし使わざるを得ない目にあった時、それまでに一度でも触ったことがあるかないかでだいぶ心構えが違うと思います。残念ながらこのスペースはガランとしていましたが、なるべく多くの人に訪れてもらいたいです。
この海ほたるですが、かなり大きく感じたのですが、SA(サービスエリア)ではなくPA(パーキングエリア)という位置づけです。なんとなくSAとPAの違いとしてレストランの有り無しやガソリンスタンドの有り無しをイメージしていたのですが、調べてみると、場所によってはガソリンスタンドのあるPAなどもあるそうです。明確な定義はないようで、規模に基づいてSAとPAは区別されているようです。では、その規模の尺度と境界は何なのでしょうね。気にはなるのですが、よくわかりませんでした。
海ほたるで白く塗られた骨格を見ていて気づいたのですが、だいぶサビが浮き出ていました。場所によっては「床がもろくなっています」などという注意書きがされているところもありました。潮風にさらされて腐食の進み具合も早いのでしょうか。これらのメンテナンスにはだいぶコストがかかるのではないかと推測します。また、何気なくトイレやレストランを使用しましたが、真水や汚水はどうしているのでしょう。海ほたるの住所は木更津市になるようですので、海上橋に沿って上下水道が木更津市まで伸びているのでしょうか。まあ、どのような手段を取ったとしてもコストが掛かるのは間違いないですね。
東京湾アクアラインは高い高いと言われていて、私自身もそう考えていました。でも、今回、実際に走ってみて、海ほたるに立ち寄ってみて感じたのは、あれだけのものを作って維持していくためにはそれ相応のお金がかかるはずだということでした。少し視点を変えて考えることができました。
とはいえ、支払う側から見れば普通車3,000円の通行料は、やっぱり高いですね。何か良い落とし所はないものでしょうか。