利根大堰 (群馬県側から)

さきたま古墳群」を後にして利根大堰に向かいました。「筑紫次郎」と呼ばれる九州の筑後川、「四国三郎」と呼ばれる四国の吉野川のお兄さんとして、「坂東太郎」と呼ばれる利根川にかかる取水堰です。河口から154km地点に位置するそうですが、そう考えると利根川ってやっぱり大きいんだなあと思います。

確か、ここも社会科見学で訪れる場所だったと思います。ここから伸びている見沼代用水は埼玉県民ならずとも有名ではないでしょうか。

利根大堰 取水後の分水

ここで取水された水は見沼代用水のほかにも、写真の通り、武蔵水路、埼玉用水路、邑楽用水路、行田浄水場取水口へ分水されています。これら用水路は分岐した先でいきなり地中に潜ってしまっているものもあるようなので、もし今ここに落ちたら何とかして見沼代用水の水路に流れて行かないといけないなあと、写真を撮りながら物騒なことを考えてしまいました(見沼代用水は地上を流れていくのを確認済みでした)。

利根大堰 水がいっぱいでこわいよ

私は元所沢市民の今清瀬市民なので、一応東京都民となります。東京都民として知っておかないといけないのが上の水路のうち武蔵水路です。武蔵水路は利根川の水を荒川に導水する役目を担っています。荒川に流れ込んだ利根川の水は秋ヶ瀬取水堰で取水され、朝霞浄水場や東村山浄水場で浄水されて東京都の水道に流れ込みます。もちろん、これ以外の水も利用されていますが、現在では東京都の水道水の80%がこの利根川の水だそうです。ということで、東京都民は知らず知らずに利根川の恩恵に預かっているわけです。

東京都民であれば、自分がどこの水を飲んでいるかは東京都水道局のこのページを見るとわかりやすいです。清瀬市は昔は地下水だったようですが、今はこのページを見ると東村山系です。おそらく、利根川と荒川と多摩川のブレンド水を飲んでいるんだと思います。

利根大堰ではここを管理する利根導水総合管理所の駐車場に車を停めました。土曜日ですが駐車場の入り口は開放されていました。平日であれば見学コースのようなものもあるようですが、さすがにそれはやっていませんでした。それでも、魚道観察室には行くことができました。

利根大堰 魚道観察室

利根大堰には魚が遡上できるように、3つの魚道が設けられていますが、その埼玉県側の1号魚道には観察室があります。地下鉄の入り口のような階段を下りていくと、魚道を覗けるような窓が設置されています。展示されていた説明によると大きなサケなどの遡上も見られるそうです。

私が見ていた時は、小さなウグイか何かが2匹川を上ろうとしていました。でも、上ろうとしては流れて上ろうとしては流れてを繰り返していましたので、もしかしたら遊んでいただけなのかもしれません。

ちなみにこの周辺での釣りは禁止されているようです。

なお、武蔵水路を経て東京都民の飲み水にもなっている利根川の水ですが、荒川に流れ込んだ一部の水は新河岸川を経由して隅田川の浄化にも役立っているそうです。スケールが大きいです。こういう話は大好きなのです。




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