1976年1月の所沢コーポラス

所沢駅東口から歩いて数分のところに所沢コーポラスというマンション群があります。ちょうど、西武池袋線の上を所沢陸橋(昭和48年の所沢陸橋はこちら)がまたぐ場所です。このマンションの建築中の写真が出てきましたので、HP Photosmart 3210aでスキャンしてみました。例のごとく絹目(シルク)のプリントなので若干汚いです。

時は1976年の1月です。マンションの名称としては所沢コーポラスというのが正式のようですが、私たちは「ニチモ」とか「ニチモビル」と読んでいたように記憶しています。今思えばこれは会社名だったんですね。当時は10階建ての建物ですら珍しいのに、それに人が住むというですから、憧れをこめて「ニチモビル」だったのだと思います。

写真を見る限り作り方は最近ではあまり見ない感じがします。最近の10階建てくらいの建築といえば、鉄筋コンクリート(RC)造が一般的でしょうから、鉄筋にコンクリートを流し込んで建てて行くのでしょう。また、最近の工事はカバーがされていて中が見られません。一方、ニチモの所沢コーポラスは鉄骨造のようで、上記の写真のようにまさに鉄骨がむき出しです。建築中の雰囲気がよく伝わってきます。

1976年夏の所沢コーポラス

1976年の夏に撮った写真が上のものです。既に1枚目の写真の工事は終わり、その横に新たに鉄骨が組まれているのがわかります。ニチモコミュニティあゆみを見ると全部完成したのが昭和53年とありますので、この写真のあと2年かかっていることになるのかと思います。ちなみに昭和53年は成田空港が開港した年でもあるそうです。

写真には施工会社のプレハブも建っています。看板には「大塩組」と書かれています(1枚目の写真の会社名は読み取れませんでした)。帝国データバンクの「ゼネコンの倒産動向調査(PDF)」によると1996年11月に負債額140億円で倒産した会社に大塩組というのがありますので、この会社でしょうか。まちがっていたらゴメンナサイ。

建築後30年が経って今でもニチモビル所沢コーポラスは健在です。中古マンション市場でも売買されているようです。今となっては10階建てのマンションこそめずらしくはなくなってしまいましたが、これからは長寿記録を目指すのでしょうか