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言葉というものは日々変わっていくものなので、新しい言葉が出てくることを否定しません。また、言葉の意味合いが変わって来ることも仕方ないと思っています。私も今の時代を生きる一人としてその一端を担っているはずです。

以前、平仮名の「さま」について書いたことがありましたが、最近は、また別の点で気になっている点があります。既に一般的な日本語があるのに外来のカタカナ語を使おうとする風潮です。まあ、カタカナ語の乱発は昔から問題になっていましたが、最近特に気になっているのが上に挙げた「チュアブル( 使用例)」「アソート( 使用例)」「トドラー( 使用例)」の3点です。

そして、これらが気になっているのには特別な理由があります。

実は、これらの用語はどれも渡米時にお店で見かけ、意味がわからず辞書を引いたことのある言葉だったのです。「チュアブル」はchewable(噛むことができる)で、「アソート」はassort(各種取り合わせる)で、「トドラー」はtoddler(幼児)です。どれも米国の店内の看板や商品説明文で目にする単語です。まさか、日本に帰ってきてからこれらの言葉のカタカナ語を目にすることになろうとは思ってもみませんでした。

「チュアブル」は薬の錠剤の説明に使われています。チュアブル錠のように。確かにこの言葉は該当する日本語がありませんが、商品によっては「水なしでのめる」と書いてあるものもあります。chewableと書くのならまだしも、チュアブルよりは「水なし錠」とでもしたほうが意味は伝わりやすいですよね。

「アソート」は正確にはassortedですが、お菓子などの詰め合わせの意味で使われています。どうして、詰め合わせじゃダメなのでしょう。アソートとカタカナにしたほうがお洒落な気がするのでしょうか。アソーテッドじゃなくてわざわざアソートとしてあたりに最初にこの言葉を使い出した人の確信犯的な心理が垣間見られます。

「トドラー」は子供服売り場での年齢区分を表しますが、日本語で言えば幼児くらいになるのではないかと思います。幼児という言葉でいまいちしっくりこないというのであれば、2〜3歳児、4〜5歳児のように年齢を入れてくれていたほうがよっぽどわかりやすいと思います。個人的には「トドラー」という言葉にはかわいい幼児ではなく、トドがビリヤードをやっているような映像を思い浮かべてしまいます。ちなみに、古くから日本で通信販売をしているアメリカ企業のランズエンド(LANDS' END)のサイトでは「トドラー」ではなく、より原語に近い発音で「タドラー」と表現されていました。

ソフトバンクの孫さんが言い出した言葉に「タイムマシン経営」というのがあります。アメリカで流行したものはその後日本でも流行る可能性があるので、そこに投資を行うと有利だということだそうです。確かに私がアメリカで見てきたものが今の日本で拡大中というものが結構あります。ショッピングモールがその一つです。日本でも郊外にどんどんできてきていて、都心部の流通業から客を奪っているように見えます。また、アメリカで見て感動したものの一つにヘアムースの缶のようなものに入ったホイップクリームがあったのですが、これも最近日本で見られるようになって来ました(これとかこれ)。このブロワもこれらの一つです。確かに良いものはどんどん取り入れてしかるべきだとは思います。

でも、言葉まで真似する必要はないと思います。あまり無理して変なカタカナ語を使用すると本末転倒になってしまう気がします。


問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?