映画「男たちの大和」を観てきました。大和の実寸大のセットを作っただけあって、迫力のある映像が楽しめました。おかげで涙と鼻水でボロボロにされてきました。

場所は前回「ALWAYS 三丁目の夕日」を観たワーナー・マイカル・シネマズ大井です。オンライン試写会に外れてしまったので公開初日の最初の回(8時55分)に行くため早起きしました。20分前くらいに現地に着くとチケット売り場に並んでいる人の中には私のようにおじさん一人という方が結構いらっしゃいました。同じ時間帯から始まる「あらしのよるに」や「ムシキング」を観るとも思えないので、まちがいなく同じ仲間です。

チケット購入の列に並んでいたら、すぐ後ろの人たちが「男たちの大和を8時55分からやったって観るやるなんていねえよ。代わりにハリーポッターやれよ」なんて言い出すものだから、買いづらかったです。窓口で小声で「男たちの大和」と言うと、窓口の中の女性は元気よく「男たちの大和ですね」なんてスピーカーで返事してくれました。そんな大きな声でハキハキしないでください。一瞬、凍りつきそうになりました。

私の観た回はお客さんが50人弱でしょうか。予想に反してガラーンとしていました。私のように単独で来ている人が多かったですが、中には戦争を知っている世代の方が夫婦でいらっしゃっていたりもしました。「特年兵ゆっちんのYAMATO乗艦日誌〜激闘編」によると都内では並んだりもしたようです。大井でも徐々に観客が増えそうな気がします。

さて、ストーリーです。「「男たちの大和」反町隆史と中村獅童か・・・」で書いたとおり原作は春に読んでいました。映画化されるにあたり映画用の脚色のためのストーリーが前面に出てくるのかと思っていたら、これは良い意味で期待を裏切られました。どちらかというと原作に出てくる事実に基づいて、これらをうまく組み合わせて話が作られていました。

だから、中村獅童さん演じる内田守のモデルとなったと思われる内田貢氏が療養中の病院を抜け出して大和に乗り込んでしまう話も映画だけの話ではなく、事実だったりするんです。彼が宝として持ち歩いていた山本五十六からいただいたという短刀だって、事実なんです。映画の中では一言説明だけで終わってしまっていましたが、このあたりについては原作を読んでいないとちょっとうそ臭く感じてしまうかもしれません。

レイテ沖海戦、そして沖縄へ向けての水上特攻での戦闘シーンはかなりリアルでした。特に既に制空権を失っていた沖縄に向かい、一機の飛行機の援護もなくあれだけの巨艦が進む姿は今思えば無謀としか言えません。次から次に襲ってくる敵機の攻撃の前に不沈艦と言われた大和の姿は無残すぎます。

この問いに対する答えは長嶋一茂さん演じる臼淵大尉のセリフにありました。

「日本が生まれ変わるためにさきがけて散る。本望じゃないか・・・」

彼が艦上で「敗れて目覚める。それ以外にどうして日本が救われるか・・・」といった主旨の発言をしたのは事実のようです。我々が現代に生きる上では、彼らの犠牲の上に今の日本があることを改めて自覚する必要があるのではないでしょうか。平和とは武器を持たないことと短絡的に考えてしまうと先の戦争を全否定することになってしまい、完全に本末転倒になってしまいます。

先日、タウン誌に監督の佐藤純彌氏のインタビューが出ていました。西東京市にお住まいです。この映画のクランクイン直後の春に奥様を亡くされているようで、お通夜とお葬式で二日現場を離れただけで撮影に戻られたそうです。この映画に対する意気込みが伝わってきますね。




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