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あちこちで見たい見たいと書きつつ見られていない映画「あらしのよるに」ですが、遅ればせながら原作の絵本を読みました。
あらしの夜に小屋に逃げ込んだヤギは、その後同じ小屋に逃げ込んでくるオオカミと暗闇の中で会話をします。ヤギは相手をヤギだと思い、オオカミは相手をオオカミだと思って会話をします。そして、あらしも止み二人は再会を約束して暗闇の中に姿を消します。再会時の合言葉は「あらしのよるに」。
実は、ここで終わっちゃうんですよ、この絵本。元々はここで完結するはずでしたが、要望が多くて続編ができたのがよくわかります。
続きを読まないと消化不良を起こしそうな終わり方ですが、その代わりに再会時のことを色々と想像して楽しむことができます。子供向けの本ですが大人が楽しめる内容です。特に暗闇の中の会話は絶妙です。お互い違うことをイメージしながら会話しているにもかかわらず、雷の音などに助けられてお互いが相手を知らずに済むように進みます。このおもしろさは大人じゃないとわからないんじゃないかとさえ思います。
でも、産経新聞の「【私の修業時代】きむらゆういちさん 増やし続ける「引き出し」 」を読んで理由がわかりました。著者きむらゆういちさんはご自身主催の子供向け造詣教室での経験から以下のように悟ったそうです。
「子供も大人も変わんない。『子供のために』というのは聞こえはいいけど、物を作るときは、まず大人の自分が面白くないとだめなんだなと。子供にこびたり迎合して、受けそうなものを想像するのはやめようと思った」
きむらゆういちさんは、benesse(ベネッセ)のこどもちゃれんじ「ぷち」と「ほっぷ」の監修にも名を連ねられています。最近では「きむらゆういち」とされていますが、6年前の「ぷち」を見たところ「木村裕一」とされていました。紹介欄には顔写真も出ているのですが、仮面ライダーの藤岡弘さんをイメージさせる顔つきから子供向けの教材作りがイメージできなかったことを覚えています(失礼ですが)。子供にこびないという新聞記事で少し納得できました(?)。この6年前の記憶と、「あらしのよるに」の著者が繋がったときは我ながらその発見をうれしく思いました。
ところで、漢字で書くと木村裕一さん、最近、辺見えみりさんと結婚された木村祐一さんと一字違いなんです。もともと「裕」と「祐」は字も似ているのでぱっと見には同じにさえ見えてしまいます。最近のように「きむらゆういち」と書いた方が区別はつきやすいですね。
ちなみに絵を描かれているあべ弘士さんは北海道出身で何かと話題の多い旭川市旭山動物園の飼育係をされていたそうです。「あらしのよるに」の初版が出た時にはまだ飼育係をされていたとのことです。色々なところで色々な線がつながるものです。
それにしても早く続編読みたいです・・・。そういえば、これと似たアオちゃんとごはんちゃんはどうなったでしょうか。こちらも気になります。