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清瀬市の住民基本台帳(住基)カード

確定申告の時期になりました。今年は会社員の私もやります。といっても、給与が2,000万円を超えたわけではもちろんありませんし、給与以外に申告が必要な収入があったわけでもありません。医療費控除による還付申告を行うのです。

これまでも何度かやったことがありますが、一昨年はPC上で書類を作成し自宅プリンタで出力して税務署に提出しました。これは自分で計算する必要がなく記述する必要もないため便利でした。今年もこれを使おうと思っていたのですが、国税庁のサイトに行ったらe-Taxというのがあって、自宅から電子申告できるというではありませんか。電子申告といっても医療費控除申告の場合、領収書は別途郵送しなければなりません。確かに中途半端ではあるのですが、試してみることに価値があるということで今年はこれを使ってみることにしました。

といってもこのe-Taxを使うには色々な事前準備が必要です。PCやインターネット接続が必要なことは当然ですが、個人として用意するのが一番面倒なのが電子証明書です。ネットを介して書類をやりとりするため、なりすましや改ざんを防止するためにPKIと呼ばれる基盤を使用しています。インターネットでオンラインバンキングなどを使用するとSSLと呼ばれる仕組みで暗号化が行われますが、これもPKIを利用していてサーバ側では電子証明書を用意しています。e-Taxではこの電子証明書を用いて個人を特定するのです。よく印鑑証明にも例えられます。

e-Taxでは何種類かの電子証明書が利用できます。印鑑証明との大きな違いは民間でも証明書を発行できる点です。現にSSLで使われている証明書は通常民間会社が発行しています。とはいえ、個人がe-Tax用に簡単に入手できる電子証明書となると公的個人認証サービスの証明書になりそうです。現実的にはこれしか選択肢はありません。

この公的個人認証サービスは、特にe-Taxに特化したものではなく公的機関への電子申請に対して包括的なPKIを提供しています。そして、この機関(実質的に私の場合は東京都)が発行してくれる電子証明書を格納するのに必要なのが、住民基本台帳カードと呼ばれるICカードです。

ということで、やっと題名にある「住民基本台帳カードの取得」の話に入れます。私の場合、近くの出張所に申請して作ってもらいました。写真付きと写真無しの2パターンありますが、運転免許証を持っていない人が写真付きの公的身分証明書として取得することが多いようで普通は写真付きを選ぶようです。3.5cm X 4.5cmの写真は昔撮ったものを使用しました。

システムの稼動時間に行って写真付の身分証明書(運転免許証など)が提示できればその場で作成してくれるようですが、私はシステム停止の16時30分以降に行ったため、後日の配布としてもらいました。最初、窓口で「住民基本台帳カード」といったらすぐには理解してもらえませんでした。どうやら、「住基(じゅうき)カード」と略すのが通らしいです。

申請時に身分証明書を見せてくださいと言うので運転免許証を見せたところ、「運転免許があるのにどうして作るの?」と聞かれてしまいました。それもそのはずで、これを持っていることの利点は現時点では身分証明以外にあまりありません。自分の市町村以外でも住民票が取得できるようになるらしいですが、そんなことをする必要性は無いでしょう。元々、総務省としてはこのICカードを多目的に使えるようにしてあり、これをどのように利用しようがそれは自治体の裁量という立場のようです。たとえば、印鑑証明のカードや図書館利用カードと共通化している自治体があるようです。確かにそれは便利そうです。そして、住基カードの利用方法でアイデア賞をあげたいと思ったのはお隣、東村山市でした。電子ロッカーと呼ばれるものの鍵として住基カードを使用しています。役所の開庁時間内に来られない市民への書類配布に使用するようです。マンションなどにある宅配便箱と同じです。

申請した住基カードは後日、取りに行きましたが、その場でテンキーを使って暗証番号の入力をしました。デビットカードで買い物をした時に暗証番号を入力するのに使用するテンキーのようでした。暗証番号を入力している時、窓口の向こう側の会話が聞こえてきたのですが、住基カードの申請は月に一度くらいのようです。発行手数料として500円かかりますので、特に持つ利点の無い今では申請する人も少ないのでしょう。

ということで、住基カードは手に入れました。でも、今度はここに電子証明書を入れてもらわなければいけません。それについてはまた後日にします。


「電子自治体」が暮らしと自治をこう変える―住基ネットとICカード、電子申請の何が問題か