ブログネタ
読んだ本 に参加中!


経済ってそういうことだったのか会議

 いつごろからかこの本のことは気になっていたのに、読む機会が無くここまできてしまいました。「だんご三兄弟」の佐藤雅彦氏と大臣の竹中平蔵氏が経済について対談するという異色の組み合わせにとても興味をもったことを記憶しているので、2002年に文庫化された時にその本の存在を知ったのかもしれません。

 私が読んだのもその文庫版です。文庫版では、最初の対談にはない「会議 その後」という章が付け加えられています。この追加された部分での竹中氏の発言は以前よりもやわらかな表現が多く、やはり大臣ともなると発言に気を使うのかなと、少し意地悪な勘繰りもできます。

 経済についてあまりいい印象を持っておらず、なるべく近寄らないようにしてきたという佐藤氏の問題提起から議論が広まっていく対談形式の本です。でも、経済についてある程度の知識がなければあんなにうまく竹中氏の期待通りの受け答えはできないでしょうね、実際のところ。

 概念の話になると難しくなりがちな経済の話を実世界の事象とうまく絡み合わせることで、とても理解しやすい話になっています。私の場合、一応経済を勉強する学部に在籍したことがあるので、この本の内容ぐらいは理解できますが、今思えば、誰でも理解できまる内容かと思います。また、大臣になる前の立場で話されているので、竹中氏の経済に対するビジョンもよくわかります。これは大きな収穫です。

 それにしても「経済ってそういうことだったのか会議」この題名からして一度聞いたら忘れられません。さすが、「バザールでござーる」や「ポリンキー」といったヒットCMを生み出した佐藤氏です。

 竹中氏は究極的には人頭税が理想であると考えているという話や、佐藤氏による「スコーンスコーン湖池屋スコーン」というフレーズは一瞬にしてひらめくといった話に興味を持たれるようなら、読んでみると良いと思います。