清瀬市郷土博物館において、開館20周年記念特別企画として10月14日から10月29日まで行われている「清瀬のうちおり展 −糸に託した女たちの想い−」に行ってみました。市役所サイトの案内によると副題は「糸に託した想い」と「女たち」が抜けていましたが、こちらは資料の通りにしておきます。
今回は写真は無しです。「写真撮影はご遠慮ください」とありましたので。ちょっと解せないことに、10月15日付けの読売新聞にはストロボ撮影された写真が掲載されていました。やっぱり、新聞記者は特別扱いでしょうか・・・。
無知な私は、「うちおりって何?」から入らざるを得ないのですが、知らないのは私だけではないようです。あちこちで説明されていました。うちおりとは家織りや内織りであって、商品ではなく自家用に織られた衣類のことだそうです。屑繭(くずまゆ)、木綿糸、賃機(ちんばた)の残糸、絣糸などを使って作られているそうです。
明治時代から昭和20年代にかけた作られたものが展示されています。綿布のものは他の用途に再利用されてしまったようで、残っているのは絹布のものが多いようです。
衣類といえば買うことしか知らない世代の私には、展示されているうちおりが自宅で作られたものというのが信じられないくらい綺麗に見えました。最近では、自宅で自分の衣類を作れる人はかなり少数派です。新しいものが発明されて、一般的には昔の人にはできなかったことがどんどんできるようになっているように感じますが、人間単位で見たらできなくなっていることもいっぱいあるんですね。例えば、私はナイフで鉛筆が削れますが(昔はボンナイフってありましたよね)、最近の子供はできないでしょう。
書いていて思い出しましたが、我が家にも「うちおり」かもしれない着物があります。私が正月などに時々着るものですが、もともと明治生まれの祖父のために祖母が作ったものです。もう20年近く前だと思いますが、私が貰いうけました。三尺や羽織は仕立ててもらったものかもしれませんが、襦袢だけはまちがいなく自家製です。久しぶりにまた着てみたくなりました。
そういえば、1階の常設展示も「養蚕と織物」となっていました。ここにも少しだけうちおりが展示されています。うちおり展を見に来た人が「これしかないの〜」と嘆いていましたが、うちおり展のメイン会場は2階ですのでお間違いの無いよう。
昔の人たちの偉大さに触れる良い機会でした。