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佐賀のがばいばあちゃん

 流行の本ですね。読んで見ました。その後、「がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい!」と「がばいばあちゃんの幸せのトランク」についても読みました。

 正直、これまでの島田洋七さんの私の中でのイメージはあまり良くは無かったです。調子よいことをペラペラしゃべって漫才ブームでB&Bで売れ、儲かったお金で所沢市の松ヶ丘にお宅を構え、所沢市内のスターレーンの近くには「まぼろし軒」というラーメン屋まで作ってしまう、調子よさだけが先行していました。この本に書かれているようなバックボーンがあったとは存じ上げませんでした。

 お父さんは原爆後遺症で小さい頃に亡くなられ、洋七さんは母親一人では育てられずに、広島から佐賀のおばあさんの所に預けられて大きくなったんです。そのおばあさんの家は貧乏で、その話はもう数々のメディアで取り上げられ、映画やドラマにもなっているのでご存知の方も多いでしょう。

 単なる貧乏話ではないのがこの本に書かれたエピソードのすごいところです。「明るい貧乏」なんです。すべての物事は考えようによって悪くも良くもなるということがよくわかる話が満載です。私がわざわざここで具体的な話を上げるのはやめましょう。最近、涙もろくなったせいか、彼を取り巻く周りの人の優しさにも涙が出てきます。

 2冊目の「がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい!」は内容的には1冊目を噛み砕いた本だと思えば良いでしょう。ただ、1冊目では出てこないアラタちゃんという登場人物が出てきます。ばあちゃんの7人目の子供です。3歳の時の事故が原因で脳の成長が止まってしまい、知的障害があったそうです。1冊目を読んだ時には二人暮しだったのかと思い込んでいたのですが、実はもう一人一緒だったんです。

 3冊目の「がばいばあちゃんの幸せのトランク」は「がばいばあちゃん」の言葉は出てきていますが、彼女が話の中心ではありません。怪我で野球選手になる夢を捨てた洋七さんが漫才師になるまでの話が綴られています。駆け落ち同然で家出した時の話は「ほんまかいな」と思わせます。所沢市の松ヶ丘に8,000万円で家を建てた時の話は所沢出身の私からすると興味深い話でした。

 今はまた佐賀に引っ越されたようです。

 「がばいばあちゃん」が洋七さんに教えてくれたものもすごいですが、今のこのブーム、残してくれたものも大きかったと思います、ホント。

 彼女の残した言葉はすべて名言といえるでしょう。でも、一点だけ自殺に関しては少し補足しておいたほうがよいかもしれませんね。彼女は、会社が倒産したりするとそれまでの生活が維持できなくなるため、プライドが許さなくなって自殺する人が多いと言っています。確かにそういう人もいるのは確かです。でも、先日読んでいた本によると、日本の自殺者の90%は何らかの精神疾患にかかっていて、そのうち70%はうつ病だそうです。だから、この点だけはプライドを捨てれば済むという単純なものでもなさそうです。