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 そういえば半年くらい本を読んでいない気がします。読むときはチェーンスモーカーのように読み続けるのですが、一旦途絶えるとこの有様です。てなところに、ひょんなことから本を頂戴しました。

 「動物の値段」という何とも挑戦的な題名の本です。さっそく読ませていただきました。

 著者は動物商というお仕事をなさっている方です。普段の我々の生活にはあまり馴染みのないお仕事ですが、動物園や水族館、ペットショップに動物がいるのは彼らがあってこそです。

 「動物の値段」も普段は表舞台に出てこない動物商でなければ書けない本です。だって、動物園にいる動物だって、コアラのように友好親善目的で贈られるものや動物園間でやりとりされる動物以外はお金が絡むわけですからね。

 おもしろかった話を何点かご紹介しましょう。

 まず、キリンの輸送のお話。キリンは輸出国から飛行機で送られてくるそうですがあの長い首をどうしているか知ってますか。なんと、首を曲げて檻に入ってもらうのだそうです。ひゃーキリンさんも大変です。

 動物園のクマが同じ場所を行ったり来たりするのを見たことがある人は多いと思います。あれはクマがノイローゼになっているからなんだそうです。少し、かわいそうに思えてきました。

 日本にいるゾウはほとんどが雌で、既に高齢なのでこのままだといずれ日本の動物園からはゾウがいなくなるそうです。ゾウはどこの動物園にもいるようなイメージがあるのでそんな心配はないと思っていたのですが・・・。

 近年、カメが世界中で激減しているそうです。ペット用のカメが多く日本に輸入されているのもその理由の一つですが、中国で多量のカメが食べられているというのも大きな理由だそうです。なんと、毎日、数十トンのカメが中国人の胃袋に消えているとか。

 まあ、これはほんの一部ですが、もしあの動物を個人で買うとしたらいくらくらいかかるのかという話とどんなことに注意しなければいけないかということがまじめ(?)に書かれています。興味の沸いた方はぜひ一読をお勧めします。「おわりに」にはもう一つ興味深い記述がありました。北海道の旭山動物園のことです。改革に成功した動物園というイメージが先行していますが、あれは公営だからこそできたものなのだそうです。民間では到底まねできないようなお金がかかっているそうです。なるほど、裏事情に通じていると色々な見方ができるものです。