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駅のゴミ箱

 最近、某路線の某駅周辺でよく見かける人がいます。その人は上の写真のような駅のゴミ箱の周辺にいます。そうです、このゴミ箱から雑誌を抜き取っている人です。

 拾った雑誌はどうなるのでしょう。時々、駅前の路上で古雑誌が並べられているのを見ますが、ああやって販売されるのでしょうか。それとも別ルートで取引されているのでしょうか。基本的には限りなく窃盗に近い行為だとは思います。でもまあ、良し悪しは別にして彼の仕事ぶりで感心した点について少し記録しておこうかと思います。

 まず、この仕事をするにはウェイト管理が必要そうです。ゴミ箱の雑誌を捨てる場所の穴は思いのほか小さいです。さすがに私も実際に手を入れてみたことはありませんが、見たところ、穴に突っかからずに腕を伸ばすのは大変な作業に見えます。だから、痩せてないとできない仕事です。実際、いつも見る彼はかなり細身です。

 そして、タイミングとスピードが要求されます。少し前までは同じ業種の方がゴミ箱を挟んで対峙しているのを見たことがありました。最近は、いつもの一人の人しか見なくなりましたが、それでも効率よく作業をするための努力をされているように見えます。ゴミ箱から雑誌を取り出すとさっと一瞥して袋の中へ。すべてをサルベージした後、隣のベンチでより丁寧に品定めをしています。ただ、見るポイントは3点ほどのようです。雑誌の角度を変えながら3点ほど確認すると袋の中にしまっています。余計なチェックは時間の無駄のようです。

 そして、これを書いておこうと思わせたのは夜遅くの収集方法を見たからでした。夜遅くは人出が少なくなるので駅で待機していても効率が上がりません。では、どうするのかと言いますと、何と電車で移動しながら収集してるんです。先日、たまたま乗っていた電車に、その例の彼がある駅から雑誌の入った袋を手にして乗り込んできました。見ていたら、次の駅で降りるんです。そして、ちょうどそこはゴミ箱の前。なるほど、電車から降りてくる人が捨てていくのを拾うのでしょう。とても効率の良い行動だと思います。でも、感心して見ていたらさらに驚く行動を目の当たりにしました。なんと、彼がゴミ箱を監視していたのは電車の停車時間だけで、また同じ電車に乗り込んできたのでした。どうやら、ホーム上で歩いてくる人を見てゴミ箱に雑誌を捨てそうな人がいるかどうか瞬時に判断するようです。そして、ダメだと思ったらすぐに電車に乗り込んで隣の駅へ移動するんです。いやあ、それはすごい合理的です。

 どんな仕事でもその道のプロには積み上げられたノウハウとうものが存在するんですね。