前から少し気になっていた本です。だって、題名そのものからして興味を引きます。
著者自信、子供の頃のご自身のことを「目立つのが大好き」と分析されていますが、納得です。本に書かれると非常に読み応えのある人生を送られています。
ケニアって国を知らない日本人は少ないと思いますが、じゃケニアってどんなとこ? と聞かれて答えられる日本人も少ないでしょう。ましてやマサイ族については何をかいわんやといったところでしょう。確かに最近テレビにマサイ族が出てくる事がよくあります。ただ、マサイにも観光に力を入れている人たちもいるそうなので、テレビで見る彼らが昔ながらの生活を送っているマサイかどうかはわかりません。
著者の結婚相手は放牧を中心とした生活を送っている昔ながらのマサイです。それでも携帯電話を持つ人もいるそうです。テレビだと作為的な映像を流すので正直なところ本当のマサイはどんなものなのかわからないですよね。その点、彼女の視点で語られるマサイは正真正銘の現在の彼らの置かれた状況なのだと思います。伝統を重んじながらも、他民族の文化を尊重する彼らの姿勢には好感が持てます。
ケニアという国について、そしてマサイについて現状と彼らの目の前にある問題点、それらについてを現地日本人の生活の視点から知るにはおもしろ本だと思います。
本書では、ケニアに興味をもつところから、マサイ戦士ジャクソンさんの第二夫人として歩み始めるまでが書かれています。どちらかというと、その後どんな生活を送っているのか、ぜひ続編が読みたい気分です。
物見高い好奇心に訴えるようなサマリーに比べると本文(抜粋)は、なにやらとつとつとよんどころない事情を述べるような語り口で、それもまた興味を誘いますね。