自分の中では恒例となりました夜のお散歩のお話です。
前からテレビなどではよく聞いていたけれど行ったことの無い場所である青山墓地が今回の目的地です。今思えば何も夜にお墓に行かなくてもいいだろうと思います。でも思い立った時が吉日ですから。
正解には青山墓地ではなくて青山霊園と呼ぶそうです。
スタートは青山一丁目交差点。ホンダのビルがありました。そういえば、昔、古舘伊知郎さんがF1中継でホンダのことを「青山一丁目の伝説」の言葉で形容していた記憶があります。
ビルの1階はショールームになっていて車やバイクが並んでいました。とはいえ夜の10時近くにそんなのを見ているのは私だけ。
ここからは昭和62発行の地図を頼りに少し南下です。霊園横にたどり着いたあたりで霊園に入る道がありました。でも、どうせなら霊園のど真ん中を歩きたかったのでもうしばらく南下して歩行者だけが上れる階段で園内にお邪魔しました。
園内はさすがに暗いです。そして誰もいません。時折園内を横切る細い道をタクシーが通り抜けて行きますが、まさかこんなところに人がいるとは思っていないでしょう。
霊園の周りには高いビルがあってその照明のおかげもあるのでしょう、歩くのには不自由しない明るさです。とはいえ、それでも園内は別世界です。時々、バタバタという音や、ラジオの声がそれほど遠くない場所から聞こえできました。あれがなんだったのかは今もって謎です。
園内には忠犬ハチ公のお墓もあるそうです。本当はそこにお参りしようかというひそかな希望もありました。でも、さすがにどこにあるのかわからない状況では手も足も出ませんでした。周りに聞く人もいませんし。
帰りは園内を貫く道から出てみました。青山二丁目交差点だそうです。行き交う車はタクシーばかり。墓地の中と外で落差が大きいのが都内のおもしろいところです。
帰ってから忠犬ハチ公のお墓について調べてみたところ、どうやら私が園内に入ったすぐの場所にあったようです。おそらく、すぐ目の前を通ったのだと思いますが、暗くてわかりませんでした・・・。
静けさを求めての散歩の気分が腰砕けになったのを覚えていますが、ただ、四角と人型の影絵の織り成す雰囲気はユーモラスでもありました。
墓所も立地条件によってずいぶん雰囲気が違うようですね。