iPhoneにはGPS機能があるものの、私が使用しているiPod Touchにはありません。でも位置情報は取得できます。どうしても場所がわかるんだろう? 何でもWi-Fiのアクセスポイントから位置情報を取得しているとか。

 ?? 今ひとつ仕組みがピンと来なかったので調べてみました。

 今自分がいる近隣のWi-Fiのアクセスポイントを調べ、そこから位置情報を得るということは、アクセスポイントを一意に識別する必要があります。そして、これを実現してるのがMACアドレスだそうです。ネットワーク機器に対し、製造段階で割り当てられる世界に一つのIDです。詐称はできますが、これを使えば確かにアクセスポイントを一意に特定できます。

 ここまでは納得です。では、自分の近くのアクセスポイントが特定できたとしても、そこがどこなのかをどうやって知るのでしょう。ここがよくわからなかった点で、私が一番気になっていたところでした。

 で、仕組みを知ってびっくり。何と、アクセスポイント毎のMACアドレスとその場所をSkyhookという会社が管理しているのでした。iPod Touchでは、近隣のWi-FiアクセスポイントのMACアドレスに基づいてSkyhook社に問い合わせを行い位置情報を入手しているらしいのです。

 では、Skyhook社はどうやってWi-Fiアクセスポイントとその設置場所の住所を手に入れているのでしょう。

 この仕組みにはさらにびっくりしました。何と、Skyhook社は車を走らせてWi-Fiアクセスポイントの情報を収集しているのだそうです。Googleのストリートビューと同じ考え方です。地道に足で稼いだ情報はまさに財産です。さらに、自己申告でWi-Fiアクセスポイントの情報をSkyhook社に登録することも可能だそうです。

 なるほど、よくできた仕組みです。

 これですべて納得のはずなんですが、さらにひとつ疑問が出てきました。最近、良く使われているポケットWi-Fiです。Wi-Fiのアクセスポイントそのものが移動することになります。だから、私が使用しているポケットWi-FiのMACアドレスが清瀬市と登録されていると、どこに行っても清瀬市と判別されてしまうのか? 複数のアクセスポイントで判断する等、いろいろな考慮はされているのだとは思います。

 こういう仕組みを知ると、新しい技術が出てくるとそれに伴ってそれまでの技術が突如として使えなくなる可能性を秘めている世の中に生きているだなとつくづく実感します。