仙台で被災した弟家族のところは行ってきました。2日間の滞在でしたが、自分なりに見て考えたことを記録しておこうと思います。私が見たのは仙台のほんの一部です。短い時間の中で見られたものだけを判断材料としていますのでたくさんの間違いがあると思います。その点、あらかじめご理解の上、ご覧ください。

長町周辺の仮設住宅


 5月3日の朝に車で仙台入りしました。東北道は所々凹とつが残るものの、普通に走行できました。あちこちに補修の跡があり、復興の大動脈修復が最優先で行われたのがよくわかりました。

 仙台南ICを下りたあとも所々に道路に補修の跡は見られましたが、目的地である長町周辺までは見た目には被災地あることを感じられませんでした。店舗などに「がんばろう東北」「がんばろう宮城」の文字が無ければいつもと変わらぬ仙台の様子に見えました。震災直後は、電気、ガス、水道のライフラインが止まり、流通もマヒしたと聞いていますが、2カ月経って回復されているのを感じました。ただ、店舗によってはまだ営業再開ができない所もあるというのも事実のようです。

 雰囲気が少し変わったのは長町の駅を過ぎたあたりからでした。駅前は開発中で空き地が多かった事もあり、仮設住宅が建設中でした。改めて被災地であることを実感した瞬間でした。仙台南ICから海側に向かって走ると、長町があり、さらに海側に進むと津波の影響を受けた地域になります。今回の震災では、地震そのものによる建物の倒壊は少なく、被害の多くは津浪によるものであったのでしょう。津波がどこまでやってきたかによって同じ市内であっても被災の度合いが異なるようです。実際、仮設住宅のすぐそばにはライフラインが戻り通常の生活を送っている人たちが住んでいます。

閖上への道1

閖上への道2

閖上への道3

閖上への道4


 この近くには朝市で有名な閖上(ゆりあげ)港があります。今回の震災でも大きな被害を受けた場所の一つです。立ち入り禁止となっていて途中までしか入れないものの、周辺の道路を走ってみました。津波で流されてきたであろう車や船が道路や田んぼに残されているのはやはり衝撃的です。津波の勢いがどれほどのものであったのか容易に想像できる光景でした。

 このあたりは田んぼのようですが、津波で海水をかぶってしまっています。被害は甚大なものと思われます。海水の残る田んぼの前に立てられていた「良米ぜよ!」の看板が痛々しく見えました。

仙台空港周辺1

仙台空港周辺2

仙台空港周辺3

仙台空港周辺4

仙台空港周辺5


 続いてテレビでもよく放送された仙台空港周辺へ。津波に襲われる映像ばかりを見ていたため、てっきり海上、もしくは海に飛びだした立地にあるのかと思っていましたが、これは間違い。しっかり海岸線より内陸にある空港でした。確かに海岸には近いですが、車や飛行機がおもちゃのように流されていくシーンの場所の現状がご覧の通りです。まだまだ破壊された建物の残骸が残ります。使えなくなった車は一か所に集められていました。不謹慎な表現を使えばスクラップ置き場のように見えますが、ここに並べられている車にはナンバーが付けられたままであるのが大きな違いです。

 飛行機の離着陸が見られてホッとしましたが、空港への鉄道の足、仙台空港アクセス線はまだ復旧していません。

使えなくなったコンビニと警視庁のパトカー


 立ち入り禁止区域の入口には警察官が立っています。よく見ると警視庁であったり京都府警であったり。全国から警察官が集まってます。また、被災して使えなくなったコンビニが何か前線の基地のように使われていました。

自衛隊車両


 警察官とともに活躍されているのが自衛隊。これら自衛隊車両もだいぶ見慣れた存在になっているようです。

「がんばろうニッポン 愛は勝つ」プロジェクト1


「がんばろうニッポン 愛は勝つ」プロジェクト2


「がんばろうニッポン 愛は勝つ」プロジェクト3


 津波の影響を受けた場所から少し内陸に入った場所に名取のイオンモールがあります。閖上の朝市がここで臨時開催されているというので立ち寄ってみました。すると、人だかりができていました。その先にはばんばひろふみさん、杉田二郎さん、因幡晃さん、三好絵梨香さんの姿。「がんばろうニッポン 愛は勝つ」プロジェクトのイベントだそうです。

 ぱっと見た限りモールの大きな建物の外観には何ら影響はないものの、ここはやはり被災地なのです。舞台の後ろの見える高架は今はまだ電車の通らない仙台空港アクセス線です。

不思議な虹(5/3)


 ふと空を見ると不思議な形をした虹です。朝、東北自動車道を走行中にも日の出直後に縦1本の虹が見られました。希望の虹なら、絵に描かれるような丸い虹であったら良かったのに・・・。

みちのく公園の花

みちのく公園の人出


 明けて翌日は仙台から内陸へ30分ほど入った柴田郡川崎町にある国営のみちのく公園へ行きました。お花が綺麗に整備されていました。5月8日まで入園料や駐車料金が無料と言うこともあってか、多くの訪問者でにぎわっていました。これを見て少し安心したのは確かです。

 人によって被災状況はかなり異なるように感じましたが、みんなでがんばろうという気持ちは強く伝わってきました。直接、仙台を訪れてみての率直な感想です。