急に万年筆が欲しくなり文房具売り場に行ったところ見つけたのがこれ。PILOT製のVpenというもの。「使い切り万年筆タイプ」とあります。インクを入れ替えてずっと使うから万年筆なのに、使い切りとはこれいかに。というのはさておき。
何年かおきに万年筆が欲しくなります。最近は手書きで文字を書く機会も少なくなりました。でも、どうせ書くなら万年筆の味のある線が恋しくなるわけです。
正直、万年筆はボールペンより扱いにくいものです。しばらく使わないとインクが出なくなってしまうためペン先を洗ってあげる必要が出てきたりします。使い勝手が悪いとお店に持ち込んでペン先を研磨してもらったりもします。社会人になりたての頃に大宮の万年筆屋さんで買ったものは、その後そのお店で何度かメンテしてもらいました。でも、今はそのお店も無くなってしまったようです。
使い込めば使い込むほど自分のものになるのが万年筆と言えましょう。ところが、この使い切り万年筆は、インクが無くなったらおしまい。つまり、使い捨て万年筆です。
でも、私のように何年かおきに思い出したかのように万年筆が欲しくなる人には良いのかもしれません。税込204円でした。普通の万年筆はこんな安くは買えません。外観は安っぽいプラスチック製なので、所有する喜びは得られませんし、人前で使うためには向きません。
さっそく使ってみました。とても滑らかで書きやすいです。そして、書かれた文字の見た目も万年筆に近いと言えます。大きな違いは、線の太さでしょうか。万年筆ではペン先の向きと力の入れ具合によっては太くグラデーションがかった線ができますが、あれがありませんでした。まあ、ボールペンの手軽さを兼ね備えた使い捨て万年筆にそれを望むのは期待しすぎでしょう。
私の場合、万年筆で書かれた文字を見ると温かみを感じます。ボールペンで書かれた文字よりも心がこもっている気がします。だから、時々万年筆が恋しくなるのですが、もしかしてこれって昔の万年筆が普通に使われていた時代を知っているからなのかも、というのが最近の心配事です。万年筆を知らない世代が増えてきているかと思います。もしかしたら彼らにとっては万年筆で書かれた文字には何も特別な感覚はないのかも・・・。
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