i-dio Wi-Fiチューナー

 i-dioの無料モニターに応募してWi-Fiチューナーを手に入れました。果たしてこれは通勤時のラジオとして使えるのか少し試してみました。ちょっと厳しいかなぁというのが現在の正直な感想・・・。

 i-dioとは、アナログテレビ放送終了にともない空いた周波数の下の方を利用したデジタル放送です。一部動画を流したりデータ放送をしたりするので、ラジオとは違う「マルチメディア放送」を名乗っています。ちなみに周波数の上の方はというとNOTTVが使っていたりしますが、既に6月末での終了が決まっています。

i-dioを電車の中で聞くには


 どうしてこのWi-Fiチューナーと呼ばれる機器が必要なのかというと、これまでにないデジタル放送だから。このWi-Fiチューナーで受信したデジタル放送をWi-Fiの電波を使ってスマホに送り届けてくれます。

 本体にはロッドアンテナが付いていて伸ばすと結構な長さになります。電車の中ではこれがネックになりました。とはいえ山手線に乗っていても伸ばしていないと受信が厳しかったので、アンテナを伸ばしたままスーツのポケットに本体を入れて持ち運びました。さすがに、アンテナを伸ばした本体を片手に電車に乗るのは抵抗があります(笑)。本体にはイヤホンプラグがあり、アンテナ端子として機能します。試しにロッドアンテナを畳んで、このイヤホンプラグをアンテナとしても使ってみましたが、残念ながらほとんど効果はありませんでした。

 電車の中で使ってみた感じ、視聴エリアの中であってもブツブツと途切れてしまうのが実態でした。アナログのFM放送であれば、電波が弱くなってもバサッバサッとノイズが入りながら途切れることなく聞くことができます。ところが、デジタル放送の場合、電波が一定の強度以下になると完全に無音になってしまうのです。これは非常に残念です。デジタル地上波放送最高音質が売りのi-dioですが、途切れるくらいなら低音質の方が良いかと思います。インターネットのラジオ放送であれば、電車の中でも途切れないですし。

 Wi-Fiチューナーをどこかに固定して視聴するのであれば何ら問題にはならないと思っています。でも、あえて移動中で使えるか試したのは放送チャンネルの中にあるAmanekチャンネルというのが気になったからです。リスナーのターゲットをドライバーにした放送です。GPSと連動して15分後の天気を教えてくれるそうで、何となくこれまでに無い新しい世界をイメージさせてくれました。

 裏を返せば、何か新しいものがこのi-dioには必要だと思っています。ラジオを聞く人は減ってきています。カメラ、ラジオ、本などがスマホに集約している中、視聴するのにわざわざ新しい機器を必要とするのは大きな障壁になります。

 NOTTVの二の舞にならないように、何かワクワクする世界を提供してくれることを期待しています。アナログTVからデジタルTVへの移行で空けたせっかくの周波数帯です。有効活用できるよう、私の嫌な予感が外れることを願ってやみません。