超電導リニアL0系

 山梨の実験線で行われる超電導リニアの体験乗車に当選し行ってまいりました。過去にこのブログでも何度も取り上げてますが、やっと当たったという感じです。12年前には既に「当たらない」と書きつづってます(笑)。途中、実験線の延伸工事で試乗会は中止になっていましたが、何年か前に有料で試乗会が再開した後もなかなか当たらずにいました。継続は力なり、とはよく言ったものですが、我ながら試乗会への応募はライフワークになっておりましたので、今回の当選の喜びはひとしおです。

超電導リニア試乗前の持ち物検査

 超電導リニアに試乗するには荷物検査がありました。飛行機に乗る感じでしょうか。

超電導リニア搭乗券発券

 申し込み時の情報を機械に入力することで、これまた飛行機のような搭乗券が出てきます。

超電導リニア試乗前の説明

 搭乗券をもって試乗前の説明会の会場へ入ります。試乗会のある日には1日6回ほど、この部屋に入っている人だけが乗車可能ということになります。どの程度の人が申し込んでいるかはわかりませんが、これまで12年以上も当たらなかったことを考えると改めて高倍率であることを実感した次第です。

超電導リニア本日の走行予定

 試乗では実験線42.8kmを2往復する形で行われます。いったん東京よりまで進みそこから名古屋方面に向けて最高時速430kmを体験します。その後、名古屋方面から東京方面に向けて時速500kmを体験します。

超電導リニアL0系乗車

 これが体験乗車を行うL0系の車内です。何となく小さな飛行機に乗り込んだ気分です。シートは若干古臭い感じがしましたが、逆に実験線であることを実感できます。

超電導リニアL0系車内500キロ

 実験線のほとんどはトンネルなので、速度を知る頼りは社内のモニターです。時速502kmってのは目視できました。時速150kmくらいまではタイヤで走行しますが、その後はタイヤを格納して浮上して走行します。10cmほど浮上するそうです。高速から低速に映る際は格納されていたタイヤを出してタイヤ走行に移りますが、その際の感覚は飛行機の着陸に似ていました。

 時速500kmで走行していた車体が時速300kmになるとゆっくり走っている感覚になります。でも、それでも新幹線の最高速度ですから、驚きです。トンネル内走行がメインであるため、これらの速度を車窓の風景から感じ取ることができないのが残念です。でも、2027年予定の開業時、東京から名古屋まで最短40分走行の86%はトンネルとのことなので、超電導リニアは車窓を楽しむ移動手段ではないと考えたほうが良いのかもしれません。

ガイドウェイ側面の推進コイル

 リニアモーターカーとだけ言えば、既に都営大江戸線や愛知万博のリニモなどで実用化されています。今、この実験線で走行が繰り返されているリニアが目指しているのは10cm浮上する超電導リニアです。最高速度が違います。時速500km走行時、写真の白いパネルの磁石のSとNが1秒間に140回切り替わることでそれを実現しているそうです。飛んでもない技術じゃないですか。

 この技術、日本のインフラを作り上げてきたシニア層にこそ体験してもらいたいと思っています。私が子供のころ、つまり40年前には既に図鑑等で将来はリニアモーターカーが超高速で走る未来が描かれていました。実現にはまだ10年もかかるのですよね。とはいえ、若い人はこれから乗ることができると思います。シニア層の中には実用化を待たずして鬼籍に入られる方もいるはずで、そういう方々こそ優先的に体験させてあげたい気がしています。