先日、富士山方面に遊びに行った際に通りかかった道で見つけたのが、この富士山レーダードーム館の看板。道の駅「富士吉田」のすぐ横にありました。学生の頃に新田次郎の小説「富士山頂」に感動し、その後に石原裕次郎による映画を見てさらに感動を新たにした者としては立ち寄らないわけにはいきませんでした。
富士山山頂にあったドームがそのまま移設されていました。映画の中では苦労してヘリで運んだドームが目の前にあるのは不思議な感じです。
当然ドームのすぐ下には当時の観測装置が並べられています。三菱電機によるシステムです。
館内の展示物はどれも興味深いものでしたが、中でも目を引いたのがこの工事の工程表。今でこそガントチャートとか線表とかWBSとか言われてExcelや専門のソフトで作られたりしていますが、当時の工程表は手書きでした。当然ですが。リスケしたりしたら書き直してたんでしょうか・・・。そんなどうでも良いところがとても気になる一点でした。
5月の富士山頂の気候を体感できるコーナーがありました。
「富士山頂では、風速10m以上の風が年間300日以上吹いています」とあります。体験部屋の中では徐々に風速が上げられ、最後は風速13m、体感速度マイナス21度の世界になります。体験のための短時間ならともかく、長時間この中にいたら厳しいでしょうね。訪れたらぜひ体験してみてください。
富士山測候所の備品展示もありました。手を触れられなかったのは残念ですが、後ろにある観測装置の取扱説明書(マニュアル)は気になりました。
富士山レーダーが無くなった今、気象庁は全国20か所に配置された気象レーダーの観測データを合成して気象情報を作り出しているようです。今のような技術が無かったその昔、高い所であれば広いエリアをカバーできると考え、富士山レーダーの構想から建設、運営までを行ってきた先人たちの偉業をこうして残してくれる施設は大切にしていきたいと思います。