野沢正著「飛行機博物誌 - 空飛ぶ機械のものがたり 」(光人社NF文庫)を読んでみました。1916年生まれの著者はまさに飛行機の黎明期から飛行機を愛し続けてこられた方で、行間から著者の飛行機に対する思いがひしひしと伝わってきます。
本の最初に「航空雑誌を二冊以上買ったことのあるヒコーキ・ファンに」と書かれていました。私の場合、飛行機は好きですが今までに1冊しか買ったことがありませんので不合格です。本文中にもわからない専門用語も出てきました。でも読んでいて楽しいんです。
なぜでしょう・・・?
きっと、時代の移り変わりと関連づけて飛行機が語られているからではないかと思います。著者の飛行機人生を読んでいると、その時々の時代背景が見えてくるのです。
さらに、改めて所沢が日本で最初に飛行場の作られた場所なんだと実感させる記述がたくさんあって、所沢出身の私にはたまりませんでした。今でも所沢にある喜多川写真館は日本最古の航空写真家だろうとのことで、びっくり。所沢駅前の現在では西武バスの車庫になっている場所にその昔、陸軍航空士官学校参考館と呼ばれた航空博物館みたいなものがあったそうですが、戦後徹底的に壊されてしまったとのこと、残念です。
ちなみにこの本の記述は昭和45年に書かれたもののようですが、正直言って古臭さはまったく感じません。現在書かれたものだといっても通用する内容です。これは不思議です。