講談社+α文庫機長の三万フィート 」(田口美貴夫著)を読みました。

「航空博物誌」を読んだ時も著者の飛行機好きがひしひしと伝わってきますが、こちらからは飛行機操縦のプロとしてのプライドが感じられました。お客様に快適なフライトをしていただくことを第一に考えている点が、さすがだと思います。

日航のグレートキャプテンと呼ばれ、VIP機の操縦をしたこともある著者が現役時代に書いた、「機長の一万日 」、「機長の700万マイル 」に続く3冊目の本です。航空大学校時代のおもしろい話からジャンボの操縦の話まで、機長でなければわからない話が満載です。

個人的に初めて知ってびっくりした話にボーイング747、いわゆるジャンボジェットの燃料の話がありました。なんとジャンボは1分間にドラム缶1本の燃料を消費するそうで、機内にはドラム缶1,000本分の燃料が積めるそうです。さらにおもしろいことに燃料を満載していると着陸時に耐えられる最大荷重を超えてしまうそうで、例えば離陸直後に病人が出たりすると緊急着陸するために燃料を空中から捨てないといけないんだそうです。

文中にはコーパイロット(副操縦士)という言葉がたくさん出てきて、また査察操縦士についても触れられていて、読み進めるうちに頭の中では時々キムタクの「GOOD LUCK!! 」のシーンがイメージされてしまいました。あのドラマではよく「I have (アイハブ)」というセリフが出てきました。何となく意味をわかったつもりでいましたが、この本を読んだおかげでこの意味が鮮明になりました。

小学生か中学生で初めて乗った飛行機で見たパーサーは見た目には禿げ上がっていてお腹が出ていていわゆる「オヤジ」って感じだったのですが、なぜか生き生きしていて心からカッコイイと思いました。飛行機の仕事に携わっている人にはそう感じさせる人が多いですね。自分の仕事にプライドを持っているとそう感じさせるオーラが出てくるのでしょうか・・・。





スチュワーデス物語 前編