とうとう我が家の車にもETC(恥ずかしくてイーッテクなんて呼べません)機器を取り付けてしまいました。
国土交通省の発表によると、今年の1月末から2月初めにかけての調査でETCの利用率が30%を超えたそうです。これは国内自動車のETC装着率ではありません。あくまでもETC設置インターでのETCが利用された割合です。つまり、インターを通過する車の3台に1台の車はETCになってきたということです。
実は年に数回ぐらいしか高速道路は利用しないのですが、それでもここまで普及してきているなら後述する各種割引制度を考慮した上で、取り付けてもいいかなという気持ちになった次第です。
でも、サービス開始当初の私はETCに対してかなり批判的でした。
2000年前後の在米中、私の住んでいた東海岸でもE-ZPassと呼ばれる自動料金支払いシステムがありました。私の場合、よく乗っていた車が会社のリースカーで手続きが面倒そうだったことや、普段は無料の高速道路しか走らないことから、このE-ZPassの取付はしなかったのですが、取り付けにかかる費用は0円、いや$0でした(だったはず)。クレジットカードを登録したくない(できない)人は若干、保証金の支払いが必要だったかもしれませんが、基本的には初期投資は必要ありませんでした。その上、このEZPassを取り付けただけで通行料が割り引かれる仕組みになっていました(最近は知りません)。広く普及させることを明確に示した施策だったと思います。
2001年に帰国して成田空港からの帰り道、東関東自動車道で見たのが初めてETCレーンだったと思います。誰も通っていませんでした。使われない原因は明らかで、EZPassに比べるとETCを使うために必要な初期投資は莫大だったからだと思います。その上割引も最初に一定枠内で一度きりだけだったように思います。これでは使う側には何ら魅力はありません。
失礼ながらETCのこの最初の導入は失敗だったと思います。既に実用化されているシステムを考えるとETCの機器購入に必要な価格設定は間違いだったでしょう。EZPass等の既存のシステムに比べてETCがセキュリティ面や技術面で高度なシステムであることは確かなのかもしれませんが、そんな理由にユーザーはお金を払わないのです。
というような理由で自腹で機器を購入してのETC取付はしないと心に誓っていたのですが、状況が変わってきました。まず、機器の値段が下がって来ました。高額ハイウェイカードの廃止に伴い、ETCで恒常的な割引制度が導入されました。また、各種の助成制度が始まりました。これによって心が揺らいできたのでした。
社用車と私用車でETCを使用中の人に聞いてみました。予想通り、やはり便利だということでした。前払割引制度を使用するとネットから支払い履歴の確認もできるそうです。他にも、アンテナ一体型の機器だとETCカードを抜き忘れた時にカードが車外から丸見えになってしまって危険ではないかという話や、ダッシュボード上に設置する機器だと掃除などで動かしてしまった時にその後の角度調節が面倒だという話(本当にそんなにシビアなのかはわかりませんが)を聞いて、なるほど生の声は参考になると感じたのでした。
気持ちは固まりましたので、次はお買い得なETC機器を探しました。ETC機器は購入代金のほか、機器と車情報を関連付けるセットアップと呼ばれる作業にかかる代金が必要です。機器の車への取り付けもお願いするとさら取付料がかかります。最初、取り付けは自分で行うつもりでしたので、ネットでセットアップ料込み9,000円前後の機器を購入するか、セゾンカードのキャンペーンを使って古野電気製の機器を5,980円(+セットアップ料1,050円)で手に入れるつもりでいました。
ところが、家族会議で私の取り付けに関して美的感覚に疑いの声がかけられ、取り付けも込みでお店にお願いしたほうが良いということになってしまいました。結局、近所のカー用品の【オートバックス】東所沢店で取り付けたのでした。
取り付けた機種は三菱製EP-223Aというアンテナ一体型のもので、フロントウィンドウの一番上に取り付けるタイプのものです。「一番安いのはどれですか?」という問いに出てきたのがこの機種で、オートバックス限定ということになっています。三菱製の機種はイエローハットなどでもイエローハット限定モデルがありますので、三菱の機種はいろいろとOEMをしているのでしょう。
私の購入したEP-223Aは音声案内も履歴確認機能もない基本機能のみのモデルです。ただ、既にETCを利用している人の声を聞くと音声案内は不要、履歴照会は前払いをしていればネットで確認できるということで、これらの機能に対してのこだわりはまったくありませんでした。アンテナ一体型でカード挿入時は外からカードが見えてしまうのではないかという心配ですが、これは人間が注意すれば良いことですので本体の安さを優先させました。
申し込みから取付完了まで40分くらいでしょうか。最後はどっきりカメラで野呂圭介さんが持っていた看板をそのまま小さくしたような機械(テスター)を使って、動作確認をして完了でした。当然といえば当然ですが、本体からの電源コードはAピラーの中に綺麗に配線されていました。自分でやってもそれくらいはできますが・・・(と少し強がってみる)。
取付までお願いしての総支払額は16,625円でした。内訳は本体9,000円、セットアップ2,625円、それに取付に5,000円です。
高額な出費となりました。仮にも何年か前に「自腹でETC機器の購入はしない」と誓った人間にしてみれば、その後の魂の雪解けを考慮しても高額と言わざるをえません。ただし、これに対しては以下のように元を取ることで納得しようと思っています。
まず、オートバックスのキャンペーンを使用して5,000円の還元を受けます。これは、オートバックスでETC機器を購入しセットアップまでした人が、オートバックスの紹介で4社(JCB、UFJカード、三井住友VISA、日本信販)のいずれかからクレジットカードの作成とETCカードの作成を行い、それを利用して通行料金を支払うと、5,000円を限度に還元されるというものです。既に第5弾ということです。私の場合、普段使用しているクレジットカードにもETCカードの追加申し込みを行ったので、将来的にはこちらを使用することになるかもしれませんが、せっかくのキャンペーンですので5,000円をいただくことにしました。
次にETCの前払割引制度を利用して8,000円分の通行料還元を受けます。最初に50,000円前払いすれば8,000円のプレミアムがつくという仕組みです。2年近く利用がないと失効することもあるようですが、前払い料金に有効期限はありませんので、2年に一度でも道路通行料を払う人であれば払っておいて損はないのではないかと思います。
そして、最後に日本道路公団(JH)のマイレージ割引制度料金還元で5,000円の料金還元を受ける予定です。マイレージ割引とはJHが4月から導入するシステムで、料金50円で1ポイントがたまるシステムです。50,000円分払うと1,000ポイントになり、これは8,000円分の通行料と交換することができます。割引率から見ると前払い割引と同じですが、マイレージ割引はポイントの有効期限が2年間です。2年間の間に50,000円以上通行料を払うのなら、前払い割引の代わりにマイレージ割引を利用するのも良いかもしれません。2つの割引を重複して申し込むことも可能です。もちろん、前払いした料金からはポイントはつきませんが。今回のJHのキャンペーンではこのマイレージ割引に申し込むだけで5,000円の還元が受けられるので受けようと思っています。
以上の還元を合計すると18,000円です。ちょっと強引ですが、元は取れそうです。実はこのほかにもETCを利用すると各種割引の対象になるそうで、うまく行くともっと得をするかもしれません。これについてはまた別の機会にまとめてみたいと思います(← いつからETCエバンジェリストになった?)。
ところで冒頭で、最近、ETCの利用率が30%を越えたという国土交通省のプレスリリースについて触れましたが、同じリリース上に「平成17年春までにETC利用率約50%、平成18年春までに約70%を目標に、引き続きETCの普及促進に努めてまいります」との勇ましい一文を発見しました。4年かけて30%にまで上げてきた利用率をここ2〜3ヶ月で50%にするのはどう考えても難しいと思うのですがいかがでしょうか。それとも私のような転向者(?)が続出してて統計的に勝算があるのでしょうか。春に国土交通省がどう発表するのか楽しみです。
本日オートバックスにてETC本体9800円にセットアップ2650円取付は自分でということで持ち帰りにて購入してまいりました。実は本日(26日)が最終日の阪神高速ETC化キャンペーンというのを知り、滑り込みで5250円の助成を受けてまいりました。カード4社のキャッシュバックも利用し初期費用限りなくゼロを目指しております。tobaさんと同じく「ETCは自腹で買わない」と考えてはいたものの、このような助成が今回が最後かも…と妙な思い込みが働き行動したというわけです(笑)
ところで、キャッシュバックは実際に行われましたですか?
オートバックスでカード申込み書を配布しているというだけで、申込みに際してオートバックスで機器を購入したことを申請、または証明することがなく少し心配になった次第です。