新潮文庫「「死の医学」への日記(柳田邦男著)」を読みました。著者は終末期医療(ターミナルケア)について色々と本を著していますが、これは「「死の医学」への序章」の続編という位置付けです。
死ぬということは人それぞれであって、そう簡単に優劣をつけるものではありません。でもあえて誤解を恐れず言うならば、私は事故による突然死よりは、ガンなどの不治の病で余命を宣告されて死を迎えるほうがはるかに幸せじゃないかと思っています。
もちろん、死の宣告を受容するまでには多くの苦難があるでしょうが、それを乗り越えた後に残された日々を悔いの無いように生きるというのはとても人間的じゃないかと思うのです。
であるから、私は自分がガンになったらきちんとあるがままの状態を教えて欲しいと考えています。すべてを理解した上で積極的に治療を行うか、緩和のための治療を受けるか、ペインコントロールで余生を過ごすか、自分で判断したいです。
自分で言うのもなんですが、医療機関を受診する時は、わからないことは積極的に質問し、自分なりに理解してから治療を受けるようにしています。だって、論理的な効果もわからないような薬を体内に勝手に入れられるってすごい怖くないですか。
でも、私のように考えている人ばかりではないことも分かっています。やはり、健康な時にこういうことはまじめに語り合っておく必要があるのでしょうね。
私は、ある意味、本書に紹介されている人たちの死の迎え方には羨ましさすら感じてしまったのでした。
少し前に読んだ「わたしは尊厳死を選んだ―ガンに生きた900日」や「がんばらない」等にも影響を受けています。