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動物を捨てないで

雑司ヶ谷霊園で見かけた看板です。

最近、めっきり捨て犬とか捨て猫とかを見なくなりました。小さい頃はダンボールに入れられて放置されている子猫をよく見た気がするのですが、現在では、絶対的に捨て犬や捨て猫は減ってきているのでしょうか。

東京都動物愛護相談センター」のサイトに答えがありました。

上の看板を設置した東京都健康局は、組織変更により2004年8月に福祉局と統合され福祉保健局となっているようですが、その管轄下に東京都動物愛護相談センターがあります。

ここに「統計資料」があり、昭和56年からの「動物取扱頭数の推移」がグラフとなっていました。これによると、昭和58年のピークに比べ、平成16年には1/5以下になっています。数字の上でも確かに減っているんです。

対象を子猫と子犬に限定してみるとさらに特徴が見えてきます。子犬の取扱頭数がピーク時の1/150に減っているのに対し、子猫は1/4程度にしか減っていないのです。ただ、この要因は容易に想像がつきます。外で飼われている犬がめっきり少なくなりましたからね。飼い主の知らぬ間に外犬が妊娠しているということが無くなってきているからではないかと思います。

また、宅地開発等で捨てられる場所が減ったというのも大きいでしょう。人目につかない場所でないと捨てづらいはずですから。以前テレビで、富士山の樹海に野犬が増えているという報道を見たことがあります。捨てやすい場所としてイメージされやすいのでしょうか。そういう点から考えると雑司ヶ谷霊園のような場所も捨てる側の心理からすれば捨てやすい場所になるのでしょう。まさに上の看板の出番です。

以上から、捨て犬や捨て猫の絶対数は減ってきてはいるけれど捨てられる場所は局所化してきているのではないかと推測します。東京都では標示板を無料でわけてもくれるようなので、一度でも捨てられたことのある場所には立てておいても良いかもしれませんね。

東京都動物愛護相談センターの統計資料には「処分状況」の数字も公表されています。取扱頭数は年々減ってはきているものの、それでも平成16年度には9,256頭の動物が致死処分にされています。1日にして25頭です。この処分は人間が衛生的に生きていくためには仕方のないことだと思いますが、そういう運命に遭う動物を減らすことができるのも人間であることを認識しておきたいと思います。


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