まだきちんと基本機能も試し終わっていないのに、付加サービスであるHP Instant Shareをいじってみました。これはプリンタのLAN接続ができるHPのプリンタならではの機能と言えましょう。パソコンが無くても、プリンタが勝手に他のプリンタと写真を交換したり、他のPCからのプリントを受け付けたり、auの携帯電話(BREW端末)で撮影した写真をリモートでプリントしたりできるものです(セットアップ時にはPCが必要)。
説明ではやりとりするデータとして写真が前面に押し出されていましたが、ドキュメントをプリンタ間でやりとりすれば、IP経由の無料FAXとしても活躍するんじゃないかと思います。PCによるセットアップが不要になれば、新聞の配送用の機器とか、機械に弱い人でも使用できる新しいサービスに利用できるような気もします。
まずはセットアップです。セットアップは前回説明したHPソリューションセンターを使います。ここの「設定」から「HP Instant Shareのセットアップ」を選んで地域やプリンタの名前などを入力するだけです。セットアップが完了するとHP Instant Shareから「HP Instant Shareにプリンタをご登録いただきありがとうございました」という印刷確認ページが届きました。冒頭の写真にあるよう、プリンタの液晶画面にメールマークが表示されていることと、誰かから印刷データが送られてきていることを意味します。
セットアップはできましたが、残念ながら写真を共有できる相手がいないので、auのケータイから写真を送ってみることにしました。普段、ケータイのカメラなど使わないし使ってもプリントすることはありません。PCに取り込むだけならMySync Suiteを使えば良いので実際には使う機会のない機能だとは思うのですが、これも実験です。幸い私の使っているA5405SAは初期のBREWを搭載しています。
EZトップメニューから「カテゴリで探す」-「辞書・便利ツール」-「辞書・便利ツール」ですぐに該当のBREWソフトは見つかりました。ところが、残念なことに私のA5405SAは対応機種ではありませんでした。対応機種の一覧を見るとWIN端末のW2x以降でないと使えないようです。
ここで少しめげたのですが気を取り戻して、自分のPCからネット上の共有スペースに送信して、Photosmart 3210aから受信してみました。
これは何かを印刷する時のプリンタの一覧から「HP Remote Printers」を選択して行います。その後はリモートプリンタ名を選択して「送信」するだけで完了でした。設定によっては送信先のグルーピングもできるようなので、同報通信みたいなことも可能のようです。しばらくするとPhotosmart 3210aで受信案内のサインが出ますので、後はデータを受信して印刷するだけです。自分の家でやってもおもしろくは無いです。人の家のプリンタに送りつけるのであれば、楽しいと思います。
ところで、このHP Instant Shareですが、先日HPが買収したSnapfishのようなオンラインフォトアルバム&プリントサービスと融合したら、もっと裾野が広がっておもしろくなると思うのですが、どうでしょう。確かに一見、どちらから見ても諸刃の剣のようですが、パイを広げる仕掛けにはなるような気がします。と思って米国のHP Instant Shareを見たら、あちはらHP製のデジタルカメラの写真共有がメインの機能として作られていて、既にオンラインプリントの機能もあるようです。HPのデジカメ販売の無い日本が少し異質なだけのようです。
最後ですが、今回のHP Instant ShareでアメリカのCEIVAを思い出しました。5年くらい前にサービス開始を知った時には、そのアイデアに感心しました。これはぱっと見は普通のフォトフレームなのですが、実はデジタルフォトフレームで、ネット経由で新しい写真を取り込むというサービスです。例えば、おじいちゃんやおばあちゃんの家にこのCEIVAをセットし電話線につないで起きます。写真をそのフレームに見せたい人は写真をサーバに送ります。あとは、フォトフレーム自身が夜な夜な勝手にサーバにアクセスして自分あての写真をダウンロードするという仕組みです。ローカルコール(市内通話みたいなもの)が無料のアメリカならではのサービスだと思いますが、これだけ常時接続が普及した今となっては日本でも受けるサービスじゃないかと思っています。