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1985年ころの丸窓電車

先日、JR武蔵野線の新秋津駅構内で別所温泉の広告ポスターを見つけました。別所温泉とは長野県にある風情のある温泉で、長野新幹線の上田駅から上田電鉄という電車にゆられて行く先にあります。

私は「生島足島神社の御神木」や「信州 長福寺の観音様」でも書いたように上田に母方の田舎があるため、休みのたびに遊びに行った楽しい思い出がたくさんあります。別所温泉にも良く行きました。宿泊しなくても公衆浴場がたくさんあるのです。私が小さい頃は入浴料が10円か20円で、洗髪する場合はさらに10円上乗せだったように記憶しています。大湯石湯大師湯相染閣と、その日の気分でお風呂を選べるのもうれしかったです。ちなみに、相染閣(あいぜんかく)とありますが、別所温泉は映画「愛染かつら」のロケ地でもあります。

長野新幹線開通によってアクセスが便利になったことや、また最近ではテレビの旅行番組で取り上げられることが多くなったせいか昔よりは知名度が上がったように思います。これまでも旅行会社のプランの案内やJR車内での旅行の広告などは見たことがありましたが、駅に貼られた別所温泉そのものの広告には初めてお目にかかりました。

あまり、目を惹く広告ではありませんが、じっと見ているとほのぼの感が伝わってきます。善光寺と一緒にお参りしないと片参りになると言われている北向観音や、安楽寺の八角三重塔などのイラストが並び、その中央には稲刈りの終わった田んぼの中を走る上田電鉄の丸窓電車が描かれています。ふとそのそばを見ると「復活丸窓電車」と書かれているのに気づきました。

以前、この上田電鉄別所線には丸窓電車と呼ばれるかわいい電車が走っていました。これが無くなってからだいぶ経ちますが、鉄道マニアだけでなく多くの人からこの丸窓電車が愛され続けているのは私も知っています。今でも別所温泉駅のすぐ横には昔の丸窓車両が展示されています。

これが復活とはどういうことなんだろうと、調べてみると、この上田電鉄別所線に関するサイトがたくさん出てきました。実はこの路線は経営難から存続が危ぶまれているのです。情報量が多く一番よくわかったのは「上田電鉄別所線応援サイト」さんでした。これによると今年から「まるまどりーむ号」という丸窓電車をモチーフにした車両が運行しているということで、広告の「復活」とはこれのことを指しているのだと思います。また、別所線自体も、財政支援を受けやすくするため今年の10月から母体の上田交通から分離して上田電鉄という別会社になったとのことでした。

何年か前に遊びに行ったときにどこかの駅の前で「パークアンドライド」の案内ができているのを見かけました。つまり、車で駅まで行ってそこから電車に乗りましょうということです。少しでも乗客を増やすためだと思います。でも、どうなのでしょう。うまく行っているのでしょうか。大都市部に流入する車を制限し駐車場不足を緩和するためのパークアンドライドであれば利点もありますが、車を利用することに何ら不便を感じていない場合は乗り換える動機が乏しいと思うのですが・・・。

とはいえ、この電車にはぜひとも存続して欲しいと思っています。小さい頃に同様に上田交通のどこかの路線が廃止されるという時に、上田城の横を走る花電車を見に行った記憶がおぼろげながら残っています。皆に惜しまれつつ消えていく姿が強烈な印象だったのでしょう。ああいうのは悲しいですね。

やはり、乗客を増やすには観光客にも頑張ってもらわないといけませんね。別所温泉だけでなく、信州の鎌倉と呼ばれるだけの歴史的な建物の数々や、それに何よりあの一帯、塩田平の風景だけでも十分観光になる場所です。私も応援したいです。

ちなみに、冒頭の写真は1985年頃に下之郷駅のあたりから撮影したものです。HP Photosmart 3210aでスキャンしました。




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