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写真版 東京大空襲の記録」という本を読みました。東京大空襲とは昭和20年3月10日、日付が変わってまもない夜中、300機近い米軍爆撃機B29編隊による東京への焼夷弾の投下で10万人近い人が亡くなった大惨事です。

写真版ということで、当時写真を撮ることはできなかった地域での貴重な写真がたくさん載せられています。当然、中には黒こげになった母子の遺体の写真や、マネキンのように重ねられた遺体の写真など見るに耐えないものも多くありますが、これも事実として受け止める必要があるでしょう。

ところで、東京に対して最初の空襲があったのはいつだかご存知でしょうか。私は、戦局が苦しくなってきてからだと思いこんでいたのですが、なんと昭和17年4月18日なんだそうです。真珠湾攻撃から4ヶ月後には本土への空襲があったという話は驚きです。その後、2年以上は空襲もなかったようですが、サイパン陥落を口火に一歩一歩本土への爆撃の準備は進められてきたわけです。

東京大空襲も含めて、そこにいたるまでの東京爆撃のニュースは硫黄島の栗林忠道中将の耳にも入っていたのは間違いありません。本土攻撃を少しでも遅らせるために戦っていた彼がこのニュースをどう聞いたのか、無念さは計り知れません。

勝戦国、敗戦国というくくりがどうしてもつきまといがちですが、一晩にして10万人近い民間人が殺された事実は、広島・長崎への原爆投下同様、きちんと記録され後世に伝えられるべき事実であると思います。