「金山緑地公園と金山調整池と柳瀬川回廊構想」のところの最後で余談として触れましたが、現在、所沢市を流れる東川(あずまがわ)では、流域の浸水被害を軽減するため、川の下にトンネルの川を作る工事を進行中だそうです。少し前に東川沿いの信号待ちをした時に看板を見てその工事のことを知りました。
上の写真は東川がちょうど西武池袋線と交差するところにかかる橋からのものです。左が橋からの上流、右が下流です。
地下河川の工事はこれより少し下流、昔問題になった富士見産婦人科病院のあったあたり、弘法の三つ井戸のある弘法橋付近から始まります。
この工事について一番詳しく説明されているサイトが、埼玉県県土整備部新河岸川総合治水事務所による「東川地下河川 供用開始」です。工事は第一期と第二期にわけられているようです。既ににこのページの情報は1年半前のものですが、その時点で一部工事部分の使用は開始されているようです。
この工事は「平成7年度から床上浸水対策特別緊急事業と総合治水対策特定河川事業により」進められているようです。この○○事業ってのは何者なのか気になったのですが、前述の新河岸川総合治水事務所の「河川の整備Q&A」に回答がありました。総合治水対策特定河川事業とは河川改修だけではやっていけないので「河川対策」と「流域対策」の両面から水害を防ごうとするものだそうです。国土交通省のPDF資料によると全国で17河川が指定され、その中に新河岸川も含まれています。東川は柳瀬川を経て新河岸川に流れ込むので新河岸川流域という扱いになるのでしょう(きっと)。床上浸水対策特別緊急事業は、床上浸水被害が発生している河川の被害を解消するために行われる事業だそうです。国土交通省関東地方整備局の東川工事に関するPDF資料には、2つの事業名が出ていますので、いずれにしても国がお金を出して埼玉県がそのお金を使って工事を執行するという構図になるのでしょうか。もしかして、予算をつけてもらうために地方から中央に陳情に行く構図ってこれでしょうか。まったくの推測なので間違っていたらごめんなさい。
素人からすると川の下に川を作るという発想そのものにびっくりさせられるのですが、工事を請け負ったのであろう大成建設のサイトにこの東川の工事に関するコラムがありました。「所沢市「東川」の水害対策地下に新たな河川を整備」と「「東川」地下河川工事は目立たずひっそりと」です。特に二つ目の工事に携わる人の視点で語られていておもしろいです。
この工事、私は看板は見たのですが実際の工事現場を見てはいません。見ていないのでネットで情報を収集したのですが、得られた情報は以上です。できれば現場を見てみたいと思っています。特に地下に落ち込む部分は興味があります。間違って落ちたら大変なことになるなあなどと考えるとワクワクしてしまうのです。
去年降った雨を思い出すと既そうなりつつあるような気がします。去年既に杉並区辺りの新しい地下プールが一時満杯になって氾濫した位ですから、都市の下の暗渠はまだ足りないくらいなんでしょうね。
極論すると、都市全体が高床式にならざるを得ないのかもしれませんね。自分の家の下に巨大な空洞がある生活…