「e-Taxへの道(3) ICカードリーダライタ(SCR3310-NTTCom)の取得」の続きです。
3月2日だったか、ほぼ当初の予定通りe-Taxの利用者ソフトが届きました。簡易書留で配達された封筒の中には数枚の紙とCD-ROMが入っていました。
まずは、このソフトのインストールからです。でも、ドキュメントを読むと、その前にルート証明書のインストールをしなければならないとあります。e-Taxが利用する個人認証のPKIの仕組みは理解しているつもりですが、このルート証明書がどこでどう機能するのか、ピンと来ません。そんな時は悩まず手順どおりに行うのみです。
ある程度専門知識がある人のほうがフィッシングサイトに呼び込むのは簡単というのを聞いたことがありますが、もしかしたら、こんな感じでだまされてしまうのかもしれません。まあ、それはともかく、ソフトのインストールは終わらせました。
続いて、利用者識別番号と仮暗証番号でユーザ登録を行うとか、その後に暗証番号の変更を行うとか、自分の電子証明書を登録するとか、任意の数字を並べた納税者番号を登録する手順であるとかを行うのですが、もうここまで来ると完全に頭は思考を停止していたように思います。
また、このあたりの準備は金曜日(3月3日)の夜中に行おうとしたのですが、システムに接続できませんでした。よくよく説明書を見ると、e-Taxの利用可能時間は平日の朝9時から夜の9時までとあります。それって、普通の会社員が税務署に行けないのと同じで、利用できないじゃんと思ったのですが、どうやらこれは私の早とちりでした。今の期間だけは平日は夜11時まで利用可能で、また土日は朝9時から夜9時まで利用可能となっています。ただ、私がやろうとした金曜日は夜11時を過ぎてしまったので利用できなかっただけなのでした。
電子申告に利用するデータは、前回お話したとおり、「確定申告書等作成コーナー」で作成しました。ここで作成したものを印刷すればそのまま利用できますが、e-Tax用にデータをエクスポートすることもできるのです。データはe-Taxソフトの「組み込み」機能を利用してインポートします。
ところが、今度はこのデータを取り込む時に苦労しました。「確定申告書等作成コーナー」で作成する帳票には一部文字数制限があって、運用上は印刷後の用紙に直接手書きで補うことになっています。一方、e-Taxの場合、電子データのままやりとりします。ですから、この修正は「帳票編集」機能から行うことになっています。ここまでは理解できるのですが、一度でも帳票編集を行うと、なぜか「計算結果が正しくありません。(AAB00265)」というエラーになってしまうのです(冒頭のイメージ)。その後、自動的に補正しようと試みてはくれますが、補正はされません。数字部分には一切手を入れていないのに・・・。「確定申告書等作成コーナー」が作成するデータとの仕様の不一致でもあるんでしょうか。今回、修正しようとしていたところが社名の部分だけでしたので、もうここは修正をあきらめ、データをインポートした状態のまま、電子申告することにしました。
その後の操作は簡単でした。電子署名を付加して送信しただけです。e-Taxソフトには「メッセージボックス」と呼ばれる機能があって、ここを見ることでデータがきちんと送信できたかどうか確認することができました。間違いなく受け取ってもらえたようです。
ただし、私が行った医療費控除の場合、これだけでおしまいではありません。源泉徴収票と医療費領収書を郵送で税務署に送らなければいけないのです。これは、メッセージボックスから申告書等送信票(兼送付書)というのを取り出して印刷し、それを添えて管轄の税務署に送る準備をしました。
その郵送準備をしながら、結局、郵送するのに、e-Taxによる電子申告はなんだったんだろうと、少しむなしい気持ちもしましたが、それは覚悟の上での今回の体験です。本当にこのまま受け取ってくれるのかどうかは、まだわかりません。もしかしたら書類不備で連絡があるのかもしれません。「確定申告書等作成コーナー」で作成した紙を印刷して直接税務署に持って行けばこんなに苦労はしないのでしょうね。とはいえ、別に後悔はしていません。せっかくなのでもう少し、楽しんでみようと思っているところです。