こんなに面白い大宇宙のカラクリ―「すばる」でのぞいた137億年の歴史
何気なく手にした本の冒頭には宇宙を撮影したカラー写真が何ページに渡って紹介されていました。それぞれの説明は本文中で行われていますが、説明を読まなくても、これらの写真を見ているだけで宇宙の神秘を感じることができます。
せっかくなので本文を読み始めたわけですが、いきなりそのスケールに打ちのめされました。例えば、100億光年のかなたにある銀河と言ってピンと来るでしょうか。光のスピードで100億年かかる距離ですから、人類の最新技術ではどうしようもない距離感です。で、今地球上で見えているその銀河は、今の姿ではなく、100億年前の姿というのも、言われてみれば納得ですが、不思議な気分です。現在の姿が地球に届くのには100億年待たなければなりません。正直、気が遠くなります。
最初はすんなり入っていけますが、次第に少しずつですが難しくなります。高校時代に物理の授業についていけなくなって、その後の授業がどんどんわからなくなった時の心境に少し似ていましたが、あまり気にせず読み進めて正確だったように思います。宇宙の壮大さだけはよくわかりました。
宇宙の歴史を1年とすると、人類の祖先の誕生は、12月31日の23時56分だそうです。祖先が生まれてからまだ4分しかたってないんですよね。そう考えると、人間の一生なんて一瞬にも満たないぐらいです。日々の生活に追われている人や悩み事がある人は、視点を変えて宇宙規模で考えると、今自分が抱えていることが大したことではないと思えるようになって、気が楽になるかもしれません。