東京都水道局の平成18年度水道週間のイベントの一つとして浄水場の見学会があったので、都内で一番大きい朝霞浄水場へ行ってきました。同じ日には去年行った西武鉄道の電車フェスタもありましたが、車で行ってゆっくり説明が聞ける朝霞浄水場にしました。
入り口では、マスコットキャラクタ水滴くん(動かないやつ)に出迎えられました。また、待合室にあったウォータークーラーでは、できたてほやほやの高度浄水処理された水をいただくことができました。
時間になると、10名ぐらいずつのグループに分けられ職員の方に浄水場内の設備を紹介していただきました。まずは、着水井(ちゃくすいせい)です。浄水場へ水道の元となる原水が入ってくるところです。利根大堰で利根川から取水された水は武蔵水路を通って荒川に流れ込みます。荒川を流れてきた利根川の水は秋ヶ瀬取水堰で取水され、朝霞水路を通って朝霞浄水場までやってくるのです。
秋ヶ瀬取水堰から朝霞浄水場までは1.6km。浄水場内の高度浄水処理施設のビル屋上から見ることができます(上の写真の真ん中左下の4つの水色の場所)。途中、新河岸川の下をくぐって流れてくるそうです。
また、東村山浄水場とは原水連絡管でつながっていて、上の写真のあたりにそのポンプがあるらしいです。東村山から多摩川の水をもらうこともできますが、通常は朝霞から東村山まで利根川を水を送っています。
原水には凝集剤を混ぜ、それに土や砂が付着したフロックと呼ばれる塊を作ります。そして、上の沈でん池でそのフロックを沈でんさせます。
その後、それをろ過します。朝霞浄水場では高度浄水処理の前と後にろ過をしているため、前段ろ過池と呼ばれるようです。上には太陽光発電パネルでカバーがされています。発電量は、大型のポンプなどで使用する電気量から比べると微々たるものらしいですが、自然にやさしいイメージはあります。
朝霞浄水場では平成16年11月から高度浄水処理を行っています。これは、オゾンを使用して水を綺麗にするものです。最終的に塩素は使用するものの、塩素と反応して臭いを出す物質を除去できてしまうため、いわゆるカルキ臭などが無いそうです。朝霞よりも早く高度浄水を取り入れた金町浄水場の水はあとで紹介する東京水にも使われています。この施設は屋内にあるため、浄水場というよりは工場みたいです。
上の写真は、オゾンを水中でぶくぶくさせて水を浄化させているところです(オゾン接触池)。何となく魚の水槽の中のようです。この後、水は生物活性炭吸着処理と呼ばれるところで綺麗にされます。
そして、最後にもう一度、後段ろ過池と呼ばれる装置でろ過され、上井草や本郷の給水施設に送られるのです。
ところでこの高度浄水処理ですが、東京では、朝霞浄水場と金町浄水場のほか、三郷浄水場で稼動中です。三園浄水場でも本年土中の完成を目指して工事中です。残念ながらわが町、清瀬に来る水を作っている東村山浄水場はまだです。順次工事中だそうですが、もしかして区部優先・・・と考えるのは少しひねくれ過ぎ? どうやら真相は利根川水系の方が水が汚いという理由らしいです。でも、東村山も普段は利根川の水を多く使っているのですから、早くおいしい水を飲みたいなあと思うのでした。
最後に東京水をもらいました。村山下貯水池(多摩湖)堤体強化工事見学会に行った時にもらったものとはパッケージが変わりました(6月1日から)。キャッチコピーも「超高度浄水の水道水」です。最強の水道水っぽいです。
それにしても説明をしてくれた方からは、ノンストップで水を送り出しているというプライドを強く感じました。蛇口をひねれば水が出るのが当然と思われてますが、これって当然じゃないんですよ、実は。水道料金って結構高いのですが、ダムも含めて広範囲に設備を維持していくためには仕方が無いのかなと少し思えるようになりました。蛾遊庵徒然草さんに「「きっこの日記」のきっこさーん、―そんなに“東京の水道のお水が恐ろしい”ですか!―」という記事がありました。実際に見学に行った人間としてトラックバックさせていただきました。
見事なご案内で、東京都水道局の広報課にも見せたいですね。
でも、組織が大きくなるとなかなか小回りが利かないようで、先日も「きっこの日記」について、これは一大事とばかりに注進に及んだのですが、大水道局ともなると、どこの馬の骨の戯言なんか一々取り上げていてはとばかりに、馬事東風のようでした。
しかたありませんので頼まれたわけでもありませんが、長年お世話になったほんのお礼心のつもりで「私の思うところを存分に書かせていただきました。
おかげさまで思いのほかに、いろいろの方から、温かいコメントやTBをお寄せいただき、心から感謝申し上げる次第です。