とある集まりで北千葉導水ビジターセンターへ行き、北千葉導水路について学習してきました。
北千葉導水路とは、利根川の水を江戸川に運ぶための人工の導水路です。全長28.5kmで、その大半が地中のパイプで構成されています。
用途は大きく3つあります。
- 利根川の水を江戸川に流すこと
- 手賀沼の水質浄化
- 手賀川、坂川の氾濫防止
一番目のは、利根大堰で取水された水が武蔵水路を経由して荒川に流れ込み東京都民の水になっているのと同じだと思います。現在、東京の水の78%は利根川・荒川の水だそうです。
二番目のは利根川の水を江戸川に運ぶ途中で、その一部を手賀沼やその上流の大堀川に注入するものです。これにより、湖沼の万年水質ワースト1の汚名を背負ってきた手賀沼の水質は年々向上しているようです。
三番目のは利根川と手賀川の合流地点、および坂川と江戸川の合流地点に施設を設けるものです。大雨等で利根川や江戸川の水位が高くなってしまった時、ポンプを使って手賀川や坂川の水を排出して浸水を防止するものです。
北千葉導水ビジターセンターは、北千葉第二機場という施設に併設されています。ここでは利根川から地中を流れてきた水が地上に出てきます。そして、その一部が手賀沼に流れ込んでいます。上の写真は手賀沼に注水されている部分です。なお、冒頭の写真は水が地上に顔を出す着水井だと思います。
水はここからまた大型のポンプで坂川まで送られ、坂川経由で江戸川に流れ込みます。ビジターセンターではガラス越しにポンプを見ることも出来ました。ここではポンプのオペレーションは行っておらず、別の場所(北千葉第一機場?)からの遠隔操作だそうです。
ところで、この北千葉導水路は平成12年からの稼動です。つい最近ですね。でも、この稼動は東京都民への水の安定供給に大きな意味をもっているようです。いまいち水利権の考え方がわからないのですが、都が現在おさえている日量623万立方メートルの水利のうち115万立方メートルがこの北千葉導水路によるものだそうです。大きいですね。
ちょっとよくわからないのは、この導水路のそもそもの目的は先に挙げた3つの用途のうち、どれだったのかなという点でしょうか。やっぱりメインの目的があるように思うのです。その実現過程で色々と駆け引きがあって、他の用途も加わったんじゃないかと、そんな風に予想しているわけです。となると、都民の水利確保が主目的というのが一番しっくり行く気がします。実際のところどうなんでしょうね・・・?
この話は、金町浄水場見学に続く予定です。