10月24日の読売新聞朝刊を読んでいた時のことです。一応大人なので1面から新聞を開くのですが、少しめくったところで1面広告が飛び込んできました。仲間由紀恵さんが右手を差し伸べているものです。
10月24日といえば携帯電話番号ポータビリティ制度(MNP)のサービスが開始する日です。てっきり、「auへいらっしゃい」かと思いきや、これが裁判員制度の広告でした。
その後、紙面をめくるとauの広告ももちろんありました。でも、裁判員制度の広告よりも小さかったです。
よくよく裁判員制度の広告写真を見ると、春に見たe-Taxの仲間さんの写真にも似ています。日にちといい、写真の構図といい、これは完全に狙ったものでしょうか。
少なくともその狙いに素直に反応してしまった大人がここに一人います。昔もらって斜め読みだけしていた裁判員制度のパンフレットを読み直してみました。
裁判員制度とは、アメリカで言う陪審員制度のようなものです。裁判官だけで判決を決めるのではなく、一般の市民にも裁判に参加してもらう制度です。平成21年からのスタートだそうです。
裁判員制度の対象となる裁判が発生すると、1年毎に作られる候補者名簿(選挙名簿からランダムに作成)から何名だか何十名だかがランダムに呼び出されます。そして、その中から実際に裁判に参加する人を選び出します。選び出された人はその後の公判に出席して裁判官と一緒に評決を行うことになります。
個人的にはとても興味があって、ぜひ呼び出してもらいたいと思います。でも、私のような人間はどちらかというと少数派のような気もします。そして、実際のところ以下の2つの面から少し心配しています。
- 日本人になじむか
- 仕事を休めるか
1ですが、誰もが思うことではないでしょうか。私は「十二人の怒れる男」という映画が好きです。陪審員の12人中11人までが有罪と判定した事件で、一人疑問をはさんだ陪審員が議論を始め、最後は全員無罪の判定を下すというストーリーです。こんな世界が日本人に実現できるのかという疑問は非常に的を得ていると思います。その後、三谷幸喜さんが「12人の優しい日本人」という日本人版を作ってくれましたが、この映画も好きです。映画の中では議論がかみ合っていたように思います。でも、実際の裁判員制度では見ず知らずの人と議論をしなければいけないのですから、そういうことに慣れていない分、日本人がどう対応するか気になるところです。陪審員制度では陪審員だけで評決を行いますが、裁判員制度では裁判官が一緒に議論するそうです。そのあたりに日本人への配慮が感じられます。
2ですが、公判に出席している間は仕事を休まなければいけません。公判はできる限り連続して行われますとわざわざ説明しているところを見ると、1日だけではなく何日かにわたって行われるのだと思います。法的にはきちんと整備されるでしょう。また、労使間できちんと整備作りが行われることも望まれてもいます。でも、1日の年休を取るのに気を使う日本人が連続して休めるのか・・・これも実際に制度が始まってみないとわかりません。平成16年の実績だと、1年に平均300人から600人に一人が呼び出されるとのことです。
とはいえ、市民感情をまったく無視したような判決が時々出るのを見ると、裁判員制度に寄せる期待は大きいです。なんで、この時期大きな新聞広告が出たのかはわかりませんが、制度開始までじっくり見守っていこうと思います。
ところで、本題とは関係ないのですが、裁判員制度の広報用のビデオはかなり力が入っていることを知りました。「裁判員制度〜もしもあなたが選ばれたら〜」というビデオは、中村雅俊監督・主演、西村雅彦出演です。なんで中村雅俊さんが監督なのかはわかりません。「評議」は62分の映画で榎木孝明(榎本さんではありませんでした。下記コメント欄にてご指摘を受けて修正しました)さんや小林稔侍さん等、有名な役者さんが出演しています。予告編だけはネットで見られます。ぜひ、本編もネットで公開してほしいものです。
といいますのも、保険業界は正直PRというか、マーケティングとかコマーシャルとかがあまりにもお粗末なもので、つい気になっています。
すみません。自分の事ばっかりのコメント。。