11月3日の航空祭には良く訪れる航空自衛隊入間基地ですが、この中に修武台記念館と呼ばれる建物がありました。旧陸軍航空士官学校の建物で歴史がありました。平日しか公開されていなかったため、いつか見にこうと思っていたら取り壊されてしまっていました。現在、新しく改装中です。
やっぱり見ておきたいものは会社を休んででもみておかないといけませんね。
入間の西洋館が今年は日曜日に公開してくれるというので、こちらはどこかで都合をつけたいと思っています(去年は水曜日の公開でした)。ドラマ「あなただけ見えない」のロケ地にもなったところで、つい最近、ケーブルテレビのファミリー劇場で放送しているのを懐かしく見てました。
まあ、そんな話はどうでも良いです。
つまり、また同じ後悔をしないよう、平日のみ見学が設定されている防衛省の市ヶ谷の見学ツアーに参加してきた時のお話です。
さすがに入口は厳重です。でも、見学に予約していたことを告げるとすぐに受付の案内をしてくれました。一人一人身分証明書で確認し、写真のような見学者用立入証を受け取りました。
私が行った日は個人での申し込みが私を入れて2名。そのほかに修学旅行生数名、さらに都内からのある程度お年を召された団体さんが一緒でした。申込者が一人の時はその一人だけを案内するようなこともあるそうです
さっそくツアー開始ですが、少しだけ聞いた説明を。ここ市ヶ谷地区がそもそもなんだったかですが、明暦の大火以後、尾張徳川家の屋敷として使われていたそうです。本当は伊達政宗が欲しがったとか。どうしてかというと、ここが都心では2番目に標高のある場所(海抜31.4m)で湧水もあって、軍事上大きな意味を持つ場所だからです。ちなみに一番目は新宿の箱根山で海抜44.1m。でも広さが違います。市ヶ谷は5万6千坪、東京ドーム4個半もあります。
まずは防衛省の中枢と思われるA棟の中を通過します。エスカレータで進みます。
ちなみに写真撮影ですが、基本的にOKです。ダメなのは3点。A棟の中の写真撮影とツアー途中で見せてくれるビデオの撮影は許可されていません。また、後から出てくる記念館に置かれた展示物をフラッシュ撮影することも許されていません。
儀仗広場です。その名の通り、儀仗を行う場所です。一度実際の儀仗を見てみたいものです。
市ヶ谷記念館です。私の目当てはここでした。元々、陸軍士官学校の1号館として使用されていたものですが、防衛庁(現在の防衛省)の本体がこの市ヶ谷に移転してくるにあたり、取り壊され、その一部ができるだけオリジナルの部材を使用して移築、復元されたものです。
極東国際軍事裁判(いわゆる東京裁判)が行われたのもここの大講堂ですし、三島由紀夫氏の事件の現場でもあります。
大講堂です。東京裁判では傍聴席があった位置から玉座に向かってです。玉座の部分は東京裁判では通訳の席として使われました。
この大講堂、床は奈良の寄木で作られています。その数、7200枚。移築する時には前と同じ位置に復元されたそうです。ただ、399枚は再利用ができずに新しくなっています。
こちらは東京裁判で裁判官席があった場所です。
そして、こちらが被告人席側です。現在は各種の展示物が置かれています。
ここで裁かれた被告人は28人。途中からソ連が裁判に参加したいと言い出し、2人被告人を追加しようとしたそうです。でも、座席が28人分しかないため、最初選ばれた28人から2人抜いて2人追加されたとか。かなりいい加減な裁判であったことを物語る逸話ですね。
大講堂の天井にある5つのライトです。最初からこの5つしかありません。だいぶ薄暗く感じます。ただし、東京裁判の時には、影がどこにもできないような照明を要求されたため、新たにライトをつるしたそうです。
以前、ご紹介した「「玉砕総指揮官」の絵手紙 (栗林忠道 著 吉田津由子 編 小学館文庫)」ですが、なんと実物が展示されていました。改めて繊細なタッチに栗林中将の性格を垣間見ました。
憲兵の腕章です。以前、井筒屋さんを訪れた時、途中いらした方が、憲兵の赤い腕章に言及されていたのを思い出し、これがそれかと実物を見て納得した次第です。
所沢関連のものです。どういうものなのかは存じませんが、所沢陸軍飛行学校記念メダルとありました。このほか、加藤隼戦闘隊の加藤少将の銅像も展示されていました(暗くて撮れませんでした・・・)。
旧陸軍大臣室です。解体前の1号館の模型が置かれていました。
その後、陸上自衛隊東部方面総監の執務室として使われましたが、その時に起きたのが三島事件です。三島由紀夫と楯の会メンバの森田必勝がバルコニーから檄文を読み上げた後、割腹自殺したのがこの部屋ということになります。
彼らを制止しようとした際に振り落とされた刀によるキズ痕が3箇所残っています。写真に写っているドアノブ下の傷が一番大きいものです。
ツアーはこのあと隣の便殿の間に移ります。陛下の休憩所だそうです。他の部屋はドアが内側に開くのですが、この部屋だけは外に向かって開きます。このような細かい配慮が要所要所にありました。
このあとツアーは厚生棟へ流れます。ここで休憩時間が取られました。自衛隊でしか変えないものを扱っている売店のほか、隊員たちの生活に必要なものが売られているようです。B棟に850人の隊員が生活しているそうです。スターバックスがあったのには驚きました。厳重なチェックを受けた人しか入れない場所にスターバックスですから・・・。
道路を見ていたらマンホールがたくさんありました。「雨水」「排水」「電気」「汚水」ここまではわかるのですが、「中水」とかかれたマンホールがありました。これはなんでしょうね。
ツアーは屋外ヘリ展示場に行くのですが、すぐそばにあった門が気になりました。なんか安っぽい門です。聞いたところ、市ヶ谷に移転してくる前に防衛庁で使用していた正門なんだそうです。なんでも、塗りなおしたら変な門になってしまったとか。ぱっとみ、おもちゃの国の門のようです。
最後がメモリアルゾーン。殉職者の慰霊碑のほか、市ヶ谷に点在していたいろいろな記念碑などを集めた場所だそうです。
そして、最後にアンケートを書いておしまいです。。
展示物とは関係ありませんが、「厳正な敬礼は市ヶ谷から」という標語が掲げられているのをを何回か見ました。そういえば、軍隊での上下関係は一般社会よりもずっと厳しいような気がしますね。そういうことをきちんとやりましょうと標語にしないといけないのも、これまた時代なのでしょう。
一般公開されてるならば行ってみたくなりました。