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裁判官が日本を滅ぼす (新潮文庫)

 先日、各メディアが裁判員制度についての国民へのアンケート結果を報道していました。これによるとこの裁判員制度には否定的な人が多く、「素人が人を裁いて良いのか」といった一見その通りと思える意見が聞かれました。

 いいんです。

 現状のひどい裁判について問題提起されている「裁判官が日本を滅ぼす」を読んでそう思いました。

 あえて例は挙げませんが、この本では、数々の問題の判例が紹介されています。それぞれがこの本の主旨に合うよう書かれていることを差っ引いてもひど過ぎる判決ばかりです。

 これらひどい判決の被害者(?)たちは口々に言っています。「裁判官は正義の味方だと思っていた」「最初から判決ありきで進められた」確かに普通の国民であれば、裁判官は正しい判断をしてくれると思っていることでしょう。でも、それは見事に裏切られることがあるのです。

 このような問題の元凶の一つが要件事実教育と呼ばれるものです。司法を目指す人はみっちり叩き込まれる教育で、話を事実と事情にわけるのだそうです。そして事実から過去の判例に照らし合わせて判決が導き出される仕組みです。また、当然全員がそうではないでしょうが、裁判官になれるような人はエリートであるがゆえの世間知らずさもあわせ持っているようです。過去には敷金を知らなかった裁判官もいたとか。

 読み終わって「裁判の当事者にはなりたくないな」というのが率直な感想です。

 その一方で、裁判員制度が導入されることで、世の中の流れや「常識」が判決に加味されやすくなるのではないかと期待もしています。

 せっかくの裁判員制度です。頭ごなしに否定してしまうのではなく、みんなでより良い司法の在り方を模索して行きたいものです。