新鶴の塩羊羹

 何十年ぶりかの念願が叶い、新鶴の塩羊羹を味わうことができました。新鶴は長野県の諏訪大社下社秋宮近くにある和菓子屋さんです。塩羊羹が有名です。

 小学校時代の友人の親戚宅がこのすぐ近くにあり、昔から新鶴の話しを聞かされていました。朝並ばないと買えないという話は、子供心に強く印象付けられました。車に乗るようになり、その友人とこの辺りに何度か行ったことがあります。その際もお店は既に閉まっていて、なるほど隠れた人気店は静かに流行るのだなと思った記憶があります。

 そんな話を事あるごとにしていたら、不憫に思った方が送ってくださったのが、今回念願が叶ったいきさつです。

 最初の一口で感じたのは高級感。甘くも無くしょっぱくも無く、素材の風味が感じられる味といいましょうか。甘さにはそれほど強くない私でも何個でも行ける味でした。信州は海が無いので塩は貴重な存在です。そのため、塩の使い方や味わい方には大変慎重なのだそうです。同封されていた栞にそのように書かれていました。食べた後にその栞を読んで、まさにその通りだと納得した次第です。

 今回いただいてみて、人気が続く理由がわかった気がします。

 それにしても食べ物を文章で表すのは相変わらず苦手です。また、今回は写真も載せるか悩みました。おいしく見えないのは失礼ではないかと。自分の言葉で表現できない被写体は、カメラを使ってもうまく撮影できないんだな、ということを初めて知りました。