風邪になると抗生物質を欲しがる人が結構多いです。でも、風邪のほとんどはウィルス感染によるものです。だから、細菌に作用する抗生物質は風邪には効きません。
確かに細菌感染による風邪もあります。でも、それはかなり少数。耐性菌と呼ばれる抗生物質の効かない細菌の出現の話などを聞くと、簡単に抗生物質を処方し、それを欲しがる文化には疑問を感じています。
お医者さんによっても意見は異なるようです。抗生物質を処方するお医者さんの意見は、ウィルス感染だったとしてもそれによって弱体化した体への細菌による二次感染を予防する効果を期待しているのだとか。
その風邪が細菌によるものなのかウィルスによるものなのか簡単に判断できれば良いのですが、これは難しいようです。ならば、治療薬を予防目的で使用するのは一つのアプローチなので、否定しません。でも、抗生物質を処方してくれない医者はヤブ医者のような言い方をされる風潮があって、そう言われないために処方しているお医者さんがいるとしたら、それは認めたくないです。
まず、ほとんどの風邪には抗生物質は効かないという事実を知らない人がいます。この方たちには事実を説明する必要があります。でも、説明しても事実を事実として認めてくれない抗生物質信者もかなりいるようです。これは、どうしたものでしょうか。
どうしてこんなことを書くかと言うと、私自身、ここ1週間ほど風邪をこじらせてまして、昨日耳鼻科に行ってきたのです。そしたら、副鼻腔炎ぎみ、との診察で抗生物質が処方されました。帰って調べたところ、やはり副鼻腔炎でも90%以上はウィルス性のものなのだそうです。そして面白い記事を見つけました。風邪では抗生物質を処方しないアメリカでも、副鼻腔炎の所見がつくと簡単に抗生物質が処方されている現実があるようです。それを改めようとしているものでした。
私は医者ではないので専門的なことはわかりません。ただ、事実は事実としてきちんとした理解を一般の人に持ってもらう必要はあるのではないかと思っています。