
皆さんこんにちは!先日、念願だった「関電トンネル」を通って黒部ダムへ行ってきました。
石原裕次郎さん主演の名作映画『黒部の太陽』を観て以来、「一度はあのトンネルを通ってみたい!」とずっと憧れていたんです。映画の中で描かれた難所「破砕帯」での恐ろしいほどの出水シーン、ご存知の方も多いのではないでしょうか? 実はあのシーン、CGなど無い時代に420トンもの水タンクを使った実物大セットで撮影されました。本当に出水事故が起きてしまい、裕次郎さん自身が親指を骨折する大怪我を負ってしまったほど。「誰も死ななくて…俺だけで良かったよ」と語ったという壮絶なエピソードが残っています。まさに命懸けの撮影だったと知ってから行くと、ワクワクと緊張感が入り混じりますよね。
いざ関電トンネルへ!偶然ゲットした特等席
訪れたのはGWの激混みシーズンが過ぎた頃でしたが、扇沢駅はまだまだ団体客で大賑わい!
同時に出発する4〜5台のバスは座る席もないほどの満員状態でしたが、案内されるまま前へ進むとなんと、偶然にも先頭車両の一番前に立つことができました。まさに運転手さんと同じ目線の「特等席」!今回は、その特等席からの景色をメインにお届けします。
扇沢駅を出発したバスは、しばらく一般道を登った後、いよいよ関電トンネルへと吸い込まれていきます。 道幅はバス同士がすれ違うのは難しいほどの狭さ。低く迫る天井や、ゴツゴツとした無機質な壁面からは、一般のトンネルとは違う「工事用トンネル」としてのただならぬ雰囲気がヒシヒシと伝わってきます。
最大の難所「破砕帯」の凄み
扇沢駅から黒部ダムまでは全長6.1km。走り出して1.7kmほどの地点で、青い照明に照らされた「破砕帯」の看板が現れました。これこそが映画でも描かれた最大の難所です。
破砕帯とは、岩盤が細かく割れ、地下水を大量に溜め込んだ軟弱な地層のこと。当時、毎秒数百リットルもの冷たい地下水と土砂が激しく噴き出し、わずか80mを掘り進むのに、なんと7ヶ月もの血の滲むような苦闘が繰り広げられたそうです。 バスで通り抜ければあっという間ですが、今でもトンネルの壁面からはザァーザァーと大量の水が流れ落ちており、当時のすさまじい苦労と自然の脅威を肌で感じることができました。
トンネルの奥深くへ…すれ違いと歴史の痕跡

さらに進むとトンネルの中間地点へ。ここで反対側から来たバスの車列とすれ違います。この場所だけトンネルの幅が広くなっていて、まるで単線の鉄道で列車がすれ違う「交換設備」のようです。
長い直線のイメージがあるトンネルですが、意外にも所々で急なカーブが待ち受けています。2018年までは架線から電気をとる「トロリーバス」がここを走っていたんですよね。当時の姿を見られなかったのは少し残念ですが、歴史の重みを感じながら揺られるのもまた一興です。
黒部ダム駅が近づくにつれて、横道に枝分かれしていくトンネルがいくつも見えてきました。ダム建設当時、膨大な資材を運搬するために掘られた横坑の跡なのでしょう。まるで地下迷宮のようです。
新旧EVバス乗り比べ!?(国産 vs BYD)

少しマニアックな話になりますが、今回乗車した関電トンネルの電気バス(EVバス)には「日野自動車」の銘板が光っていました。調べてみると、日野のブルーリボンをベースに、フラットフィールドという日本のメーカーがEV化した国産コンバート車なんだそうです!
ちなみに、この後乗車した立山トンネルのEVバス(2025年4月から運行開始したばかり!)は、世界的なEVメーカーであるBYD製の大型バス「K8」でした。メーター周りもフルデジタル化されていて、見た目も非常に洗練されていました。 最近、国内のEVバスはBYDをはじめとする海外製が主流になりつつありますが、ここ関電トンネルという日本の大事業の象徴とも言える場所で、日本製のバスが力強く走っているのを見ると、なんだか少し嬉しくなりました。
偉大なる先人たちに想いを馳せて
トンネルを抜けて出会う黒部ダムは、エメラルドグリーンの綺麗な水をたたえる、息を呑むほど美しいアーチダムです。
しかし、この「世紀の大工事」と呼ばれたくろよん建設では、171名もの尊い命が犠牲になりました。ダムのえん堤のそばには、その方々のお名前を刻んだ「殉職者慰霊碑」が静かに佇んでいます。
戦後の電力不足を解消するために、これほど険しい山奥に巨大なダムを造る決心をした人々と、命懸けで挑んだ作業員の方々。彼らの偉業のおかげで、今の私たちの豊かな生活があるのだと実感します。そんな歴史のロマンと先人たちの偉大さに直接触れることができ、本当に心震える素晴らしい旅になりました。
皆さんもぜひ、映画『黒部の太陽』を観てから、この地を訪れてみてくださいね!感動が何倍にも膨らみますよ!
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