今朝、出勤途中の中央線西国分寺駅でのことです。ホームに行こうと階段を下りていると、出発間際の電車から一人女性が降りてきました。電車が混んでるから次の電車に乗るのかなあと気にもとめずにホーム上の列に並びました。目の前では電車のドアが閉まり、静かに出発していきました。私も目の前の電車には乗らずに次の電車を待ったのです。何気に視界の左の方で動くものが気になり目をやると、駅員がスタスタと走ってくるではありませんか。
その駅員は手にもったマイクでいつものように駅のアナウンスをしながら走ってきます。私のすぐ目の前で立ち止まると、そばの柱にかかった箱を開けました。そして、中からひょいとマジックハンド(というのでしょうか? こんなもの
)を取り出すと、片手でさっと一振りし、長さの調節を行いました。それは、まるでステッキを自在に操る手品師のようでした。もう片方の手ではマイクを握ったままです。アナウンスをしながら、今来た道をまた走っていきました。こうなると、もう目は彼にくぎ付けです。走っていく先に何があるのでしょう。見ていると、先ほどの電車を飛び出した女性がそこにいました。どうやら、タオルかなにかを電車とホームの間に落としてしまったようなのです。駅員はホーム上から何の迷いもなく、そのマジックハンドをさっと線路上に伸ばし、一発でその落し物を拾ったのでした。そして、それを女性に渡し、今度はゆっくりとマジックハンドを箱に返しに来たのでした。ふとみると、もう次の電車はホームのすぐそばまで近づいていました。彼はマイクでアナウンスをしながら、マジックハンドを定位置にに戻し、何事もなかったかのようにいつもの業務に戻ったのでした。何一つ無駄の無いまさにプロの動きでした。朝から見ていて感激したのでした。