「忘れる脳」の構造改革
題名から記憶に関する本だと思い、つい読んでしまいました。ただ、この本に競争社会に打ち勝つための記憶力向上の方法論を望んではいけません。私自身、最初はそういう内容を期待していましたが、実は正反対の論調です。本の最後ではわざわざ一章割いて「競争原理という神話を超えて」と論じています(個人的には競争は必要だと思っています。価値観の多様性を認め、競争する場を増やすことが大切じゃないかなあと感じています)。そういう意味では期待が裏切られたことになります。そんなこともあって最初は読み進めるのが苦痛でしたが、先に進めば進むほどおもしろい話が出てきます。読み終わると、なんとなく「脳」ってかわいいなって思えてきます。と同時に、「脳」ってそこまで考えられてできているんだなあという驚きもありました。
この本を読んでみて、バイオフィードバックについてはより詳しく読んでみたいと思いました。バイオフィードバックとは通常、無意識に行われている体内の調節(内臓の動きや血圧等)を意識的にコントロールするというものです。
また、本筋とはあまり関係がありませんが、自己暗示に関して以下の記述がありました。効果があるかどうかはわかりませんが、これはすぐに実践してみても良いかなあと思っています。
有名な自己暗示術者クーエは「すべてが少しずつ良くなってゆく」ということばを朝と夜に二十回ずつ唱えるとよい、と提言しています。